やまぶきスタジアム(岩槻川通公園野球場)
第64回秋季関東地区高校軟式野球大会 2回戦
作新学院が延長10回タイブレーク戦を制した。
作新学院は背番号6の餅原、拓殖大紅陵は今夏の全国選手権で同校史上初の勝ち投手になった鈴木が先発。
餅原が横手から放つ浮き上がるようなボールで、良い立ち上がりを見せれば、鈴木もブレーキのかかる変化球を織り交ぜて、作新打線からアウトカウントを積み重ねる。
拓殖大紅陵は2回、先頭の溝口が左二塁打で出塁。暴投の間に1死三塁とするが、加藤の空振りの間に三走が憤死。3回、4回もヒットで出塁、6回には2死満塁とするが、ここも決めきれず。
作新学院も序盤からヒットで出塁こそするものの、得点圏に走者を進められないまま終盤に。8回に岩本がこの試合チーム初の長打を放ち、四球で2死一、二塁とするも、鈴木からあと1本が出ない。
試合は0-0のまま延長戦に入る。
10回表、餅原が拓殖大紅陵の攻撃をゼロで抑えると、10回裏。岩岡がバントを確実に決めて1死二、三塁。この日、途中出場でライトに入っていた大沼が変化球をつまりながらも投前に転がすと、三走が鈴木のグラブトスによる送球をかわして生還。
作新学院が相手エースに苦しみながらもしぶとく勝ち切り、3年連続となる準決勝に進んだ。
拓殖大紅陵の鈴木も圧巻の投球だった。
ほんの2ヵ月前に姫路で見たときは、全国の初戦ということで、多少の堅さがあったかもしれない。しかしこの日は十分な余裕を感じさせる投球で、9回まで、作新学院に一度も三塁へ進めさせなかった。
1つだけ記録した四球は申告敬遠によるもの。奪三振こそ2つだけだったが、相手打線を5安打に封じた。
秋にしてすでに守備にも安定感があり、この関東大会は2試合で失策ゼロだった。
南関東の代表を争う競合校にとって、新世代の拓殖大紅陵も手強い相手になりそうだ。
9回まで相手エースに完璧に封じられた作新学院だったが、最後に決める強かさは、さすが王者の貫禄。
先発の背番号6・餅原は10回8奪三振無失点。「我慢の投球」と表現するには出来すぎた内容で、チームを3年連続の4強入りに導いた。
※球数、S数、S%は目安。公式記録ではありません。
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