【観戦レポ】早大学院(東京1位) – 法政二(神奈川1位) 第57回秋季関東高校軟式野球大会2回戦 

レポート
2016/11/06
熊谷運動公園野球場
第57回秋季関東高校軟式野球大会 2回戦

今年の夏、早大学院は59年ぶりに東京の高校軟式の歴史を動かした。全国選手権準優勝。10月に行われた岩手国体でも準優勝を果たした。

秋季東京都大会の初戦を迎えたのは全国選手権決勝から5日後にあたる9月4日。ほとんど、と言うか、ほぼぶっつけ本番(もちろんチームが全国を決めてから8月下旬の全国大会までの期間に新チーム主体の練習の時間が別で取られていたとは思われるが)で秋季大会に臨んだ早大学院は勢いそのままに秋の東京頂点に上り詰める。

法政二は秋季関東大会を35年ぶりに制した。近年は実力校がひしめく神奈川大会でも安定して上位に食い込んでいる印象があっただけにこの数字は少々意外な気がした。法政二がこの秋の県大会で対戦した相手校を並べると、その実力が本物であることが分かる。

2回戦で夏の神奈川覇者桐蔭学園を延長13回、4-1で破ると、3回戦三浦学苑、準決勝で横浜修悠館、決勝で慶應義塾を下している。神奈川の高校軟式を牽引するチームがことごとく法政二を前に屈した。

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試合は両チームエースによる予想通りの締まった展開となる。

早大学院先発は羽田将。2回表、この日、終日吹き荒れた強風に目測を誤った味方センターの失策で二死三塁のピンチ迎えるが、8番岸のショートゴロは全国の舞台でも軽快な守備を見せていた今泉が卒なく捌き無失点で抑える。

法政二のエース、サウスポーの岸は数種類の変化球を操り、緩急をつけた投球で早大学院打線を翻弄する。2回裏には3つのアウトをすべて三振で奪ってみせる。3回裏には一死二、三塁のピンチを招くが、2番西村が放った強烈な打球はショートの正面を突き、ダブルプレーで窮地を凌ぐ。

両先発の好投により、0-0のまま試合は折り返しを迎える。

なんとなく試合の流れが早大学院に傾きかけたと思った矢先の6回裏、遂に均衡が破れる。早大学院は一死で2番西村がライト方向に放った打球はグングンと伸びライトの頭上を越すスリーベースに。続く3番鈴木の打球はショートへの強襲ヒットとなり、三走の西村がホームベースを踏む。

待望の先取点を手にした早大学院。しかし、8回表、法政二は県大会から見せる勝負強さを発揮する。

先頭の7番藏地のショーゴロが好守小泉の悪送球を誘い出塁する。盗塁、野選、四球で無死満塁と法政二が一打逆転のチャンスをつくる。一死後、打席に入った2番鈴木が放った打球はセンター前に落ち2人が還り2-1と逆転。その後二死二、三塁で4番岡部が打ち損じた小フライが投手と一塁手の間にぽとりと落ち1点追加、続く5番八方がレフトオーバーのタイムリーツーベースで2点追加。この回、法政二が打者一巡の猛攻で5点を奪う。

一気呵成に早大学院に襲いかかった法政二。早大学院にとって5点を奪われたショックは大きかった。4点リードの法政二は最終回に背番号11沓澤がマウンドへ。その沓澤も早大学院に反撃を許さずゲームセット。法政二が鮮やかな逆転で早大学院に勝利し、あすの準決勝に進んだ。

法政二が県大会で得た経験は想像以上に大きなものだったのかもしれない。全国準優勝の主要メンバーが残る早大学院相手に臆することなく、勝負強さをまざまざと見せつけた。

秋季大会は関東2回戦で姿を消すことになった早大学院。この1年で、正確に言えばここ数ヶ月でチームに向けられる視線は大きく変わったと思う。全国から追われる立場になった早大学院。このチームがこれから描く成長曲線と作っていく歴史を一高校軟式野球ファンとして見守っていきたい。

法政二(神奈川1位)
000 000 050│5
000 001 000│1
早大学院(東京1位)

(法)岸、沓澤ー八方
(早)羽田将、有川ー西村

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