紀三井寺球場
第66回全国高校軟式野球選手権 近畿大会 1回戦
比叡山が終盤の集中打で京都翔英を突き放し、5年ぶりの近畿大会決勝に進んだ。
京都翔英は背番号1の山中廉、比叡山は背番号2を付けた吉川が先発。
初の近畿大会を意識したか、固さのあった京都翔英の山中廉。3回まで毎回四球を与えるも無失点に抑え、4回にバッテリーが交代。正捕手の山中諒がマウンドを引き継ぐ。
得点圏に走者を許さず6回まで完璧な投球を見せると、7回にはサードを守った榎本が3人目としてマウンドに。
比叡山も4回にエースサウスポーの神野にスイッチ。7回、京都翔英先頭の廣澤にツーベースを浴びた以外は、全く危なげない投球を続ける。
両チーム決定機が訪れないまま迎えた8回裏の比叡山の攻撃。先頭で途中出場の高田がスリーベースを放ち、この試合最大のチャンスが訪れると、京都翔英は続く二人を申告敬遠で塁を埋める選択をする。
無死満塁で比叡山3番吉川が初球をライト前に弾き、守備がもたつく間に二人目も生還。
さらに二死後に石川、近藤、泉の長短3連打でこの回に一挙6得点。
その裏の京都翔英は最後まで粘りを見せるも一点は遠く。比叡山が5年ぶりの近畿大会決勝に進んだ。
※球数、S数、S%は目安。公式記録ではありません。
京都翔英にとって初めての近畿大会は悔しい敗戦となった。最終的には大差がついてしまったが、比叡山との実力差はなかったと言い切っても良い。実に堂々とした戦いぶりだった。
内野を中心に守備はとても鍛えられ、京都大会を無失点で勝ち上がった実力をこの試合でも見せてくれた。
創部11年目で初の近畿大会出場。京都翔英は次なるステージへと進む。
試合を通してどことなくプレーに余裕を感じさせたのは比叡山だった。吉川、神野のリレーで京都翔英に3塁ベースを踏ませなかった。
8回の勝負どころで固めた集中打には、古豪の底力が垣間見えた。
5年ぶりの近畿大会決勝進出。あのとき敗れた相手も天理だった(その後、天理は全国制覇を果たす)。秋春近畿王者を倒し、9年ぶりの明石を決められるか。勢いはある。