ネッツ多摩昭島スタジアム
第67回春季関東地区高校軟式野球大会 準決勝
2017年の秋季関東大会で優勝して以降、東京大会に限れば18春優勝、18夏準優勝、18秋優勝、そしてこの春も優勝。最近の東京では絶対的な強さを誇っている駒場東邦。この秋から春にかけてどれほどの選手の入れ替わりがあったかは定かではないが、それでも2季連続で関東4強入りを果たしてきた。
昨夏は久しぶりの全国選手権出場でベスト8入を果たした慶應義塾。秋は県大会で敗退するが、春季大会は順調に勝ち上がり、決勝戦は横浜創学館との延長15回引き分け再試合を制した。関東大会では1回戦は城北(東京4位)に5-0、昨日の2回戦は茨城の水城に7-3で勝ち、優勝した2017年春以来、2年ぶりの4強入り。
両チームにとって連戦3日目。駒場東邦が背番号6の石原、慶應義塾は背番号11の阿蘇が先発。慶應義塾は2回裏、先頭の加藤と山本が四球を選び一死2、3塁。池田は三振に倒れるが、この間に駒場東邦キャッチャーの一塁への牽制が悪送球となり、二走の加藤が一気に生還【駒場東邦 0-1 慶應義塾】。
序盤から1点を追う展開となった駒場東邦は、慶應義塾の先発阿蘇から突破口を見いだせないまま前半戦を終える。5回表、5番深潟が放ったショートへの強烈なゴロがイレギュラーバウンドで外野に抜け、出塁。駒場東邦はこの日初安打を記録。二死1、2塁となったところで駒場東邦ベンチが早くも動き、代打に山下を送る。しかしここは慶應義塾阿蘇が三振に封じて得点を許さず。
6回裏、慶應義塾は一死から1番松田がセンターオーバーのスリーベースを放ち追加点のチャンス。この場面で駒場東邦は先発の石原から背番号10の左腕渡邉にスイッチ。渡邉は二人の打者に四球を与え塁を埋めると、僅か8球で背番号1のエース長谷川に継投。一死満塁で慶應義塾4番加藤がライトに弾き返して、まず1点【駒場東邦 0-2 慶應義塾】。
さらに5番舘岡が振り抜いた高く上がった飛球はライトの頭上を越し、三人の走者が生還。舘岡のタイムリースリーベースで慶應義塾が点差を5点とする【駒場東邦 0-5 慶應義塾】。
セーフティリードを得た慶應義塾は7回表から背番号10の長谷川に継投。8回表、駒場東邦に二死2、3塁とされるが天児を三振で切り抜けると、最終回は一人の走者を出すが後続を抑えてゲームセット。慶應義塾が東京1位の駒場東邦を降して、2年ぶりの春季関東大会の決勝に進んだ。
※球数は目安
県大会から続く、阿蘇-長谷川の必勝リレーがこの試合でも見られた。関東大会は1回戦から3戦連続の勝利の方程式。この春の段階でここまで勝ち方が確立されたチームもめったにない。自信がみなぎっている塾高ナイン。2年ぶりの関東優勝まであとひとつのところまで来た。
敗れた駒場東邦もこの日は点差がついたが、内容をみれば大きな実力差はなかった。特に攻撃においては上位から下位までよくバットが触れており、痛烈な打球を何度も外野へと運んだが、ツキもなかった。秋に続いて、この春も関東ベスト4に進出。昨年は延長の末にあと一歩届かなかった全国大会も十分手に届くチームに仕上がっている。夏が楽しみだ。