明石トーカロ球場
2019年度春季近畿地区高校軟式野球兵庫大会 準決勝第2試合
秋はブロック予選で2敗。公式戦で勝利を掴むことができないままオフシーズンを過ごした育英。2回戦で秋に敗れた報徳学園に3-1で勝利し準決勝に進んだ。対する相手は夏の兵庫大会を連覇中の篠山鳳鳴。経験豊富な選手たちが揃うチームは秋は準決勝まで進むも報徳学園に敗れる。今季初戦となった先週の2回戦では飾磨工と対戦。3回のスクイズで得た2点を完封で守りきった。
近畿大会出場がかかる重要な一戦は両校エースが先発のマウンドへ。篠山鳳鳴の宮本は走者を背負う苦しい立ち上がり。2回表は二死2塁、3回も無死2塁と走者を許すが無失点で切り抜ける。
一方、育英の先発汪（おう）は制球が定まらない。初回は先頭の小畠に死球、2回裏も先頭の笠井を四球で出すと、盗塁などで一死3塁。7番山下のスクイズが小フライになりダブルプレーで難を逃れるが、3回裏にも二死から死球を与え、二死1、2塁とするがなんとかゼロで抑える。
両投手が踏ん張った序盤だったが、4回表にミスで試合が動く。育英は先頭の田中がセンターへ弾き返し、すかさず盗塁。後続がチャンスを広げられず二死となった後、田中が三盗を試みる。鳳鳴キャッチャーからの送球は田中にあたり、ボールが点々とする間にホームイン。育英が相手のミスで先制する。【育英1-0篠山鳳鳴】
更に育英は5回表、先頭の汪が死球、エラー、内野安打で無死満塁とすると、一死後に3番前田が中間守備のセカンドをかすめるライトゴロで追加点。【育英2-0篠山鳳鳴】しかし後続は宮本が意地をみせて最小失点で切り抜ける。宮本はこの回で降板。
宮本の後を受けた鳳鳴の二番手は、昨年の夏に全国のマウンドを経験している小畠。立ち上がりから変化球を主体に緩急を織り交ぜ2者連続三振を奪うなど、落ちついた投球で流れを引き寄せる。
育英も6回裏から汪に変えて魚住が継投する。7回裏、鳳鳴は宮本が四球を選び出塁すると犠打、内野安打などで一死2、3塁に。二死から3番橋元のときに暴投で1点を返す。【育英2-1篠山鳳鳴】
1点差の育英は8回裏から3人目となる前田が、ファーストからマウンドへ。前田は先頭こそ四球で出すが落ち着いてゼロで凌ぐと、最終回も鳳鳴に反撃を許さずゲームセット。育英がこの春2勝目を上げて決勝進出。そして地元兵庫で開催される近畿大会への出場権を手にした。
育）汪、魚住、前田 – 橋本
篠）宮本、小畠 – 志儀
篠山鳳鳴は秋に続いて県大会準決勝で敗退、近畿大会への出場は届かなかった。2回のチャンスで先制できなかったことが響き、先発の宮本が5安打2失点、小畠も1安打6三振と試合をつくったが、攻撃に繋がりがなかった。チャンスでのフライアウトが目立ち、守備では3失策。夏に向け課題は浮き彫りになった。奇しくもこれで3年連続春季大会は準決勝敗退となった篠山鳳鳴。この苦境を乗り越え、三年目の”旋風”を夏に巻き起こすことができるか。
育英は貴重な2得点を3人の投手でなんとか守り抜いた。汪、魚住は制球が今ひとつだったが、最後の一本を許さず、3番手の前田に繋いだ。攻撃では積極的な走塁で相手のミスを誘い、鳳鳴先発の宮本から5安打を放った。これで春2勝、久しぶりの県大会上位進出を果たした。近畿大会は2015年春以来4年ぶりの出場となる。夏に向け貴重な公式戦の機会を、全員で掴み取った。
