レポート

【芦屋学園vs神港学園】芦屋学園、快進撃で一気頂点 平成30年度春季近畿地区高校軟式野球兵庫大会 決勝

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2018/05/19
尼崎ベイコム球場

既に近畿大会出場を決めている二校による春季兵庫県大会決勝。昨秋はブロック予選を勝ち抜けず、本戦に出場することができなかった芦屋学園。この春の勝ち上がりを見ると、その相手の顔ぶれが凄い。初戦で延長13回タイブレークで飾磨工を下す。2回戦では昨春近畿王者の報徳学園を3-0 で撃破。準決勝で昨夏全国四強の篠山鳳鳴に勝利して決勝に進出している。

対する神港学園は秋の県大会は決勝まで進むも神戸村野工に1-2 で敗れ、一枠だった近畿出場の権利を逃した。今大会は篠山東雲、播磨農を下すと、準決勝では延長13回に及んだ兵庫工との接戦を制して決勝に進出。近畿大会出場権を獲得した。

芦屋学園の先発のマウンドに上がった右腕・藤本は初回から球が走り三者凡退でスタートを切ると、2回には6番長谷に初安打を許すも三つのアウトを三振で取る。力のあるストレートに切れのある変化球を織り交ぜ、テンポよく相手打者を仕留める。

神港学園の先発、背番号11のサウスポー堀井は初回、先頭を四球で歩かせると一死2、3塁とピンチを招く。ここは芦屋学園4、5番を打ち取って切り抜けるが、その後も毎回、得点圏に走者を許す我慢の投球が続く。芦屋学園は堀井から毎回四球を選ぶが得点に繋げることができず。前半は積極的な走塁が裏目に出て、塁上で憤死する場面が多々みられた。

試合は0-0のまま後半戦へ。6回表の芦屋学園の攻撃。先頭の峰松が四球で出塁、二死2塁で三盗に成功し、その後二死1、3塁に。7番留田の打席で、一走が走り、神港学園キャッチャーは二塁へ送球。ここで本塁を突いた三走峰松。クロスプレーとなり、判定はセーフ。芦屋学園が機動力で均衡を破る。

芦屋学園の藤本は毎回奪三振で危なげない投球を続ける。7回裏、一死から6番長谷に左越二塁打を放たれ、二死3塁。しかし、この場面も神港学園の代打・足立を三振に切り、1点のリードを守ったまま試合は終盤へと向かう。

神港学園は7回表、6回を1失点で踏ん張った堀井からエースナンバーの西馬に継投。芦屋学園に追加点を与えず、最終回の神港学園の攻撃へ。

9回裏、一死から5番下井がレフトへ弾き返し出塁。二死後、7番上治のサードゴロで試合終了かと思われたが送球が逸れてセーフ、二死1、3塁と一転して神港学園が逆転サヨナラのチャンスを迎える。打席には途中出場の8番吉田。ここで芦屋学園藤本の低めの球をキャッチャーが抑えきれず後逸。三走は一旦はスタートを切るも、思い直して途中で帰塁。すると藤本が続けて投じたボールがまたしてもキャッチャーの後ろへと転がる。ここで本塁突入を試みた三走。本塁上でクロスプレーは主審がアウトを宣告してゲームセット。芦屋学園が粘る神港学園をギリギリのところで退け、春の兵庫大会の頂点に立った。

芦屋学園
000 001 000│1
000 000 000│0
神港学園

芦)藤本 – 入山
神)堀井、西馬 – 下井

秋は県大会に出場できなかった芦屋学園の快進撃は決勝でもなお続いた。その功労者は誰もが認めるチームの大黒柱・エースで4番の藤本だろう。この試合、打撃では存在感を示すことができなかったが、その投球は圧巻だった。6安打を浴びながらも10奪三振、四死球ゼロの制球力が優勝を決定付けた。

秋に続き県大会決勝で敗れた神港学園。先発の堀井は制球に苦しみ7四球ながら与えたヒットはわずかに1本のみ。継投したエース西馬も追加点を与えなかったが、芦屋学園藤本の出来がそれを上回った。

投手の好投が際立った決勝戦。両チームに実力差は認められなかった。準決勝を振り返っても2試合ともが延長ゲーム。大会全体を通しても3度のタイブレークが適用された。今年の兵庫は近年稀にみる実力伯仲の年かもしれない。

兵庫が強い年は、高校軟式全体が盛り上がる。近畿大会に出場する芦屋学園、神港学園には、全国選手権開催地のプライドを懸け、その力が全国レベルであることを証明して欲しい。

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