ウインク球場
第69回全国高校軟式野球選手権大会 2回戦
開新がエースの投げ合いを制して、2試合連続の完封勝利。31年ぶりに4強入りを果たした。
前日の1回戦に続いて開新の渡邉、白鷗大足利の秩父の両エースが先発のマウンドに。両投手とも立ち上がりから連投の疲れをまったく感じさせないテンポの良い投球で、アウトカウントを積み重ねる。
開新の渡邉は3者連続三進の最高のスタートを切る。大会屈指の強力打線を相手に、3回以外は毎回ヒットを許すものの、毎回奪三振で三塁への進塁を許さず。
一方の攻撃陣は相手の好投手・秩父に苦しむ。4回に四球と失策で1死2、3塁と先制の機会をつくるが、2本のフライに打ち取られ、ものにできない。以降、積極的に振っていくものの出塁できず、タイブレーク決着の雰囲気が漂い始める。
しかし8回表に試合は動く。この回も簡単に2死まで取られるが、黒木が左二塁打と三盗であっという間にチャンスを広げると、1、3塁として3番竹下がライトへうまく運び、黒木が生還。開新がついに試合の均衡を破る(開新 1-0 白鷗大足利)。
そして1点リードの9回裏。先頭の秩父に内野安打を放たれ、2死3塁まで進まれるものの、最後の打者を三ゴロに打ち取り、ゲームセット。エース渡邉の121球、前日から計272球の力投で、第38回大会(1993年)のチーム記録に並ぶ4強入りを決めた。
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全国初出場で初勝利を上げた白鷗大足利の2024年夏の挑戦は、2回戦で終わった。
猛暑の中で連日のマウンドに上がったエースの秩父は、8回途中まで4安打1失点と見事に試合をつくった。1回戦で9得点した攻撃陣は、この試合でも存在感を見せた。ただ好投手から8安打を放つも、相手の守備は固く、四死球も転がってこない状況では、それ以上のチャンスを広げられなかった。
昨秋、そして今春の関東大会を連続で準優勝。夏には目標にしていた作新学院を下し、初の全国でベスト8に進出。振りきれんばかりの充実した1シーズンを送った白鷗大足利。下級生バッテリーを中心に、さらなる高みを目指す1年が、今日からまた始まる。
「強力な白鷗打線をゼロで封じるのは難しく、得点を許してからの戦い方が鍵を握りそうだ」。筆者の戦前のそんな予想は、まったくの杞憂だった。開新エースの渡邉は、前日に151球を投じているとは思わせない貫禄の投球だった。
ヒットは許すものの、すべてが単打で、「線」にはさせず。三塁まで進まれたのは、最終回の1度だけ。11奪三振、四死球ゼロ。昨年、悔し涙を流した姫路のマウンドで、1年間の成長した姿を見せてくれた。
休養日を挟み、29日の準決勝では学校初の決勝進出を狙う。歴史を塗り替える準備はできている。
※球数、S数、S%は目安。公式記録ではありません。
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