明石トーカロ球場
第68回全国高校軟式野球選手権大会 準決勝
天理が2戦連続のタイブレークを制して7年ぶりに決勝戦に進んだ。
1回戦の開新戦を完封した明治学院エースの鈴木、天理は今大会初登板の2年生左腕・藤本が先発。
天理の藤本は今大会初登板ながら、緊張を感じさせない立ち上がり。初回にヒットを許すが、今大会好調の相手の4番・高坂を打ち取ると、3回には三者連続三振。5回まで毎回奪三振の好投を見せる。
一方で相手の先発・鈴木の緩急をつけた投球に苦戦する打線は、4回までノーヒット。
5回に犠打が内野安打となり、この試合初ヒットを記録するも、その後も快音が聞こえない。結局、8回までヒットは5回の1本のみ。一度も三塁に走者を進めることができず終盤に進む。
4回の1死一、三塁のピンチを切り抜けてからは危なげない投球で7回まで投げきった藤本。8回は宇野がこちらも今大会初登板ながら、1イニング2奪三振の好投。
そして9回には1、2回戦で先発完投したエースの木村がマウンドに上がる。
しかし四球と申告敬遠で走者を二人許すと、重盗を決められ1死二、三塁に。ここで高坂の三ゴロで本塁刺殺を狙ったが野選となり、最終回、遂に先制点を許す(明治学院 1-0 天理)。
1点を追う9回、相手のエラーと内野安打で1死一、三塁をつくると、小原がこの試合、チーム初のクリーンヒットを放ち、同点に追いつく。
さらに2死一、二塁で代打の植村が中前打を放ち、二塁走者が一気にホームを狙うも、ここはタッチアウトでサヨナラならず。延長タイブレークに突入する。
10回表は内野ゴロで1点を与える。1点を追う10回裏、犠打が内野安打となり無死満塁にするが、外野フライで1アウト、打者空振りの間に三本間で三塁走者が挟まれタッチアウトと、一転して、窮地に追い込まれる。
しかし石井昭の内野ゴロが相手のエラーを誘い2死満塁。ここで野村のインコースをコンパクトに弾き返した打球は、ダイビングキャッチを試みた相手レフトの前に落ち、同点、そして逆転の走者もホームイン。
天理が土壇場からの逆転劇。2戦連続の10回サヨナラ勝利で決勝進出を果たした。
1分間の目まぐるしい展開 pic.twitter.com/4gqKtpaDLN
— 高校軟式野球ブログ (@nanshiki_bb) August 28, 2023
明治学院は9回と10回の二度、勝利が目前に迫りながらも、手中からスルリとこぼれ落ちた。
エースの鈴木は8回まで天理を内野安打1本に抑える、非の打ち所のない最高のピッチング。
勝負どころで出てしまった守備のほころびが、試合の行方を左右することになった。
攻撃では調子の良い藤本に対して、初戦から見せた鋭いスイングで得点に迫り、最後は今大会無失点だった相手エースの木村から得点した。
2023年夏、一躍全国にその名を知らしめた明治学院の、充実した長い夏が幕を下ろした。
※球数、S数、S%は目安。公式記録ではありません。
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