ウインク球場
第63回全国高校軟式野球選手権大会 1回戦
18年ぶりに全国選手権出場の早稲田実と同じく11年ぶりに出場となった松山商の対戦は古豪対決として注目が集まった。
両チームにとって久しぶりの全国の先発を任されたのは早稲田実尾坂、松山商小倉の両エース。
松山商は初回、早稲田実先発尾坂の不安定な立ち上がりを攻め、二死ながら満塁とするが先制には至らず。しかし3回裏、洲之内が中安で出塁、エラー、内野安打で一死満塁とし、川添が空振三振した際に捕手がボールを後逸して三走が先制のホームイン。
しかしその裏、早稲田実は一死1塁から2番篠田がレフトへツーベースを放ち、一走の鳥越が一気に生還。すぐさま同点に追いつく。
その後は早稲田実尾坂、松山商小倉の両投手が踏ん張り膠着した試合展開に。1-1のまま終盤に差し掛かった7回裏に試合は動く。早稲田実は先頭の尾坂がレフトへ二塁打を放つと犠打で三塁へ進み、9番甲斐がライトへタイムリーを放ち2-1と勝ち越しに成功。
更に一死満塁から3番村上の打球が捕手のフィルダースチョイスを誘い3-1、二死満塁で5番福本がレフトに弾き返し二人が生還して5-1と一気に松山商を突き放す。
4点リードの早稲田実は9回、それまで5安打1失点の尾坂に変わりサードの福本が継投。松山商の打者を3人でしっかりと抑えてゲームセット。早稲田実が終盤の集中打で松山商に逆転で勝利。第37回大会(1992)以来、実に26年ぶりの全国選手権1勝を手にした。
松山商
001 000 000│1
001 000 40X│5
早稲田実
松)小倉 – 上松
早)尾坂、福本 – 甲斐
松山商はエースの小倉が7回に力尽きた。失点した3回以外は早稲田実打線を封じチャンスを与えなかったが、疲れが見え始めた7回にこの日2本目の長打を放たれると一気に引きずり込まれた。打線は3回以降は早稲田実尾坂を前に3塁まで走者を進める事ができず。何度か走り打ちなど小技を絡めるも状況を打開することができなかった。
早稲田実は7回に4安打を集中、一気に松山商を突き放した。今大会では終盤のビッグイニングで試合が決する同じような試合が数試合見られた。3回に追いついた場面も長打によるもの、7回も先頭の尾坂の一本の長打が逆転の口火となった。尾坂は序盤は制球に苦しみ走者を出す場面が多々見られたが3回の失点以降は危なげない投球を披露。8回109球を5安打1失点で先発の責任を果たした。