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【慶応vs中京院中京】 中京が10安打で慶応を撃破 佐伯が3安打完封 次戦、天理との大一番へ 第63回全国高校軟式野球選手権大会 2回戦

レポート
2018/08/26
ウインク球場
第63回全国高校軟式野球選手権大会 2回戦
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佐伯が「6試合目」のマウンドに上がる。

昨夏の優勝投手は、昨年からまだこの全国の舞台で失点を許していない。初回、慶応4番の小谷がレフトにいきなりヒットを放ち佐伯の立ち上がりを攻める。この1本のヒットが佐伯を本気にさせる。2回から5回までひとりの走者も許さない。

慶応先発の軟投派中野も1回戦を勝ち上がり全国の雰囲気にも慣れた。初回を3人で抑えるが2回裏、中京5番中澤に初安打を許し二死2塁で7番水がセンターに弾く。中澤がホームに生還。中京が2本のヒットで先制に成功。

今年の中京はどうしても佐伯に注目が集まりがちだが、攻撃陣のレベルも相当に高い。予選5試合で41得点。先の1回戦井原戦でも6得点を上げており、この日も単打2本で鮮やかに先制。しかし、そんな中京打線に中野も負けてはいない。失点後は5回まで危なげない投球を披露。

6回表、慶応は中村が相手のエラーで初回以来の出塁。送って二死2塁で土田がレフトに運び二死2、3塁と一打逆転のチャンス。ここで4番小谷に打席が回るも初球をセンターフライに打ち取られ、得点機を逃す。

するとその裏、暫く静かだった中京打線が中野に襲いかかる。2本のヒットで一死2、3塁。5番中澤がセカンドに転がすと、前進していた中村が捌き切れず、まず1点を勝ち越し。さらに大島、2回先制タイムリーの水の連打でさらに3点を追加。中京院中京がこの回、5本のヒットで5-0と慶応を一気に引き離す。

7回裏、中野は先頭の北野にヒットを許したところで降板。継投した1年生阿蘇がこの回を凌ぐと、8回には2年生の山本がバトンを受け、無失点で最後の攻撃へ。

佐伯にとって「5点リード」という事実はあまり意味をなさない。「失点しない」という自分に課した究極の目標に対してこの試合も最後まで向き合った。3番から始まるクリーン・ナップを三振、レフトフライに封じ、最後は板橋を見逃し三振で仕留めて試合終了。中京学院大中京が2年連続の準決勝進出を果たした。

慶応
000 000 000│0
010 004 00X│5
中京学院大中京

慶)中野、 阿蘇、山本 – 沼
中)佐伯 – 島田

5回までは慶応中野もよく粘ったが、6回に疲れから球が甘く入ってしまったところを中京打線が見逃してくれなかった。容赦ない連打に為す術なかった。慶応各打者は最初は佐伯の速球に振り遅れていたが、すぐに順応した。1番中村は試合を通して3度出塁。6回には三塁まで進んだが、最後の1本が出なかった。

佐伯が自分との戦いに勝った。これで昨年から続く全国での無失点試合を6に伸ばした。「エースで連覇」まであと2試合のところまできた。昨年の佐伯はもっと力でぐいぐいと押し込んでいくようなイメージだったと記憶している。この試合、佐伯が取った三振は5。もちろん慶応各打者が必死に食らいついた上でのこの結果だが、佐伯としては少し物足りない数字にも思える。連覇を狙う今年は、自ずと周りからのマークも厳しくなる。そんな中で三振だけに頼らない、幅を持たせた投球は佐伯をさらに魅力的なピッチャーへと昇華させている。

次はいよいよ天理との大一番。前々回王者と前回王者ががっぷり四つに組み合う。ディフェンディング・チャンピオンに、死角はない。

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