明石トーカロ球場
第70回全国高校軟式野球選手権大会 決勝
中京が逆転サヨナラ勝利で14回目の優勝。史上初の大会四連覇を達成した。
中京・内野、あべの翔学・若林の両エースが優勝をかけ先発。内野は二者連続三振の好スタート。一方の若林は初回から2つの四球を許す慎重な入りを見せる。
中京は2回、あべの翔学先頭の北風にチーム初安打を許し、2死三塁で二ゴロの処理に戸惑う間に先制を許す(あべの翔学 1-0 中京)。
しかし中京は3回裏、2死から2つの四球で一、二塁とし、4番田口の左適時打で同点に追いつく(あべの翔学 1-1 中京)。
6回裏、中京は先頭の中村駿が二塁打で出塁。犠打で送り1死三塁をつくったが、叩きのサインを空振りして三走が憤死。勝ち越しならず。
8回表、内野は2つの四球で2死一、三塁とされ、山田に三遊間を破る適時二塁打を放たれ、勝ち越しを許す(あべの翔学 2-1 中京)。
中京は1点ビハインドのまま9回裏の攻撃へ。代打松井、田中伶が倒れ2死走者なし。先頭に返り、垣内が安打で出塁。北川は追い込まれてから驚異的な粘りで四球を選び、2死一、二塁。主将の稲垣は2球目をセンターへ弾き返して、土壇場で同点に追いつく。
さらに田口が四球で2死満塁として、曽我のショートへの打球が内野安打に。中京が最終回2死からの逆転であべの翔学にサヨナラ勝利。14回目の優勝で、硬式・軟式通じて史上初の全国選手権四連覇を果たした。
あべの翔学の若林は9回8四球と制球に苦しんだが、それでも中京打線を8回まで3安打に封じた。
6回以外は先頭打者を確実に打ち取り、その6回の1死三塁のピンチも空振りで凌いだ。9回に入るまでに既に155球を投じていた中、あと1人のところまで中京を追い込んだが、9回だけで40球を投じ、195球目に試合を決められた。
投打でチームを牽引してきた若林。春から彼のプレーを見てきたが、苦しい場面を颯爽と乗り越えていく姿は、とても頼もしかった。彼なくして、このチームが全国決勝の舞台に立つことはなかっただろう。
この試合、6回裏の中京・中村駿が放った飛球に猛ダッシュで前進したレフトの中西がショートの増野と交錯。中西は立ち上がることができず、無念の負傷交代となった。日本一を決める試合でこのような交代があったのは残念でならない。国スポでは元気な姿で、この日戦えなかった続きのイニングを楽しんでほしい。
中京のエース内野は129球を投げた準決勝・専大北上戦からの連投だったが、9回109球、2種のスライダーを武器に強打のあべの翔学打線を3安打に封じた。
中京は1失点後の3回裏に早めに追いつき、また7回表には稲垣、田口の好守で併殺を取るなど、完全に試合を流れを渡さなかったことが、勝利につながった。
9回裏、2死走者なし。球場全体があべの翔学の優勝を確信し、バックネット裏には悲願の瞬間を記録しようと、カメラやスマホを構えた観客が位置取った。しかし、その期待された結末は、訪れなかった。
中京の選手たちだけは「まだ、いける」と声を掛け合った。
昨夏の全国準決勝でブレイクし、今年も中京の1番を担った垣内が土壇場のヒットで出塁。
北川は追い込まれてから、先代の主将・清水隆が憑依したようなカット打法で16球を投じさせ、四球で次に繋ぐ。
この1年間、苦しんだチームをまとめ上げた主将の稲垣が痛烈な同点打を放つ。
1年生から全国制覇を経験してきた田口が相手にプレッシャーを与え四球を選ぶ。そして準決勝でサヨナラ打を放っていた曽我は、前日のような綺麗な当たりではなかったが、泥だらけになりながら連日のサヨナラ打をもぎ取った。
2025年の夏の終わり。
すべてがつながり、奇跡が起きた。そこには、誰も見たことがない景色が広がっていた。
※球数、S数、S%は目安。公式記録ではありません。
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