田辺スポーツパーク野球場
令和5年度春季近畿地区高校軟式野球大会 準決勝
昨秋の近畿大会決勝と同一カードとなった対戦は、比叡山が雪辱を果たし、あべの翔学が待つ決勝戦に進んだ。
比叡山は初回、報徳学園先発・野中の立ち上がりを攻め、ボーク、暴投で三塁まで走者を進めると、林の内野ゴロで幸先よく先制に成功。
比叡山先発のエース宮川は4回裏、相手のクリーンナップ・柏原、柚之上、宗宮に3連打を浴びて同点に追いつかれる。
さらに無死一、三塁のピンチを背負うが、ここは三走を2連続で憤死に追い込み、逆転は許さない。
ピンチを切り抜けた比叡山は5回表、2死二塁で村田がセンターへ弾き返して、すぐさま勝ち越しに成功。
7回裏、宮川は先頭から二者連続で四球を与え、犠打で1死二、三塁とされるが、ここも後続を仕留める。
最終回には先頭の柏原にヒットを浴び、同点の走者を二塁に進めるも、最後はこの試合を投げ合った野中を内野フライに封じて、ゲームセット。
秋に苦渋を舐めた相手を下して、決勝戦に駒を進めた。
昨秋よりもさらにダイナミックさに磨きがかかったように見えた宮川の投球。学年が一つ上がり(とは言っても、まだ2年生)、どこか余裕も感じられるような、正にエースのピッチングだった。
4回裏の無死一、三塁、7回裏の1死二、三塁と、この男ほど、ピンチでのマウンドを楽しんでいるように見える選手も珍しい。
比叡山にとっての久しぶりの近畿大会頂点まで、あとひとつ。
報徳学園はWエースの一角で、この大会は6番をつけた野中。立ち上がりのミスで先制点を許したが、比叡山打線を4安打、1四球に封じた。1回、5回の失点の場面以外で、危ういシーンは皆無。相手投手と全国レベルの試合を演じた。
個々の選手も秋からさらに力強さが増した印象を受け、特にクリーンナップは相手にとって脅威であり続けた。
報徳学園軟式野球部にとっての、最後の春の近畿大会は終わった。
今後この両者が対戦できるとすれば、今夏の全国選手権のみ。3度目の対戦は実現するのか、このまま終演となるのか……。
どんなエピローグが待っていようと、我々はただ、それを受け入れることしかできない。そのときは、刻々と近づいている。
※球数、S数、S%は目安。公式記録ではありません。
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