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【天理vs南部】南部が天理を下して5年ぶりの明石 第64回全国高校軟式野球選手権近畿大会 決勝

レポート

 

2019/08/06
佐藤薬品スタジアム
第64回全国高校軟式野球選手権近畿大会 決勝

今年の全国選手権、16代表最後の椅子を懸けて天理と南部が対戦。昨年の近畿大会決勝と同一カードとなった顔合わせ。昨夏は南部が先制するも、天理が底力を発揮し逆転勝利。全国選手権もベスト4まで勝ち上がった。

【南部vs天理】天理が逆転で三連覇達成 16度目の全国選手権へ 第63回全国高校軟式野球選手権近畿大会 決勝

天理は春季近畿大会で優勝。この夏は県大会決勝の奈良育英戦で1点ビハインドからの逆転勝利と、今年も粘り強さは健在。昨日の近畿大会1回戦は瀬田工にコールド勝ちで決勝に進んだ。南部も春の近畿大会でベスト4と経験を積んだ。和歌山大会は2試合連続の完封勝利。昨日の近畿大会1回戦の東山戦は点の取り合いの末、延長12回、8-5で勝利した。



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あれから1年。昨年2年生エースだった天理別所、南部宮本楓が、今年は最上級生として勝負のマウンドを託される。

天理別所は初回、振り逃げと三塁線を破られるヒットで、いきなり二死1、3塁をつくられるが、5番岩本を内野ゴロに打ち取る。南部宮本楓も立ち上がり、一死から内野安打を許すが、落ち着いて後続を断つ。

 

天理は3回裏、9番別所がセンター前に弾き返して出塁すると、二死から島田がライトへのツーベースを放ち、その後満塁とするが、4番真野が決めきれず。5回裏には一死3塁とこの日最大のチャンスを迎えるが、ここも1、2番が内野フライに倒れて得点できず。

宮本楓に粘りに応えたい南部攻撃陣は、毎回走者を出し得点を窺う。4回表には二死から山根、坂内の連打で二死1、3塁とするが得点に至らず。5回を終えて両者ヒット5本づつと互角の展開。今年も0-0のまま勝負は後半勝負へ。

試合は互いに譲らぬまま8回表、南部は先頭の山本がライトオーバーのツーベースを放ち出塁、犠打でこの日初めての一死3塁をつくるが4番磯本、5番岩本が凡打に倒れ、またも先制ならず。

0-0のまま迎えた9回表。南部は一死から山根が技ありのヒットで出塁、相手エラーと暴投で二死ながら2、3塁と天理を攻める。バッターは1番宮本矩。投じられた3球目を振り抜くとボールは三遊間へ転がる。平凡な打球に見えたが、三塁手の目に走者が入ったか、ボールはグラブを弾き転々とする間に、二走も一気にホームに生還。南部が遂に天理から先制点を奪う。(南部 2-0 天理)

 

「試合はまだ終わっていない」。これまで何度も窮地を経験して来た天理。9回裏、天理のベンチは逆転を信じ、打席に立つ仲間に最後まで声をかけ続ける。南部の宮本楓は勝利が目前に迫った状況でも慌てることなく、1球1球を変わらぬペースで、時折笑顔を覗かせながら投げ込む。9回二死、最後のバッターを三振で仕留めると、高々と右の拳を突き上げる。昨年は届かなかった頂点を、その右腕でしっかりと掴み獲った。

※球数は目安

 

 

勝つことを宿命づけられたチームが、決勝の舞台で、目に見えないプレッシャーと戦っていた。天理らしい固い守備の中にも、”らしくない”ミスが序盤から散見され、最後のひとつが、無情にも試合を決める結果となった。昨年は下級生が主力として活躍して、全国4強。今年はオール3年生で臨んだチームだったが、自分たちの良さを発揮できないまま、地方大会で姿を消すことになった。3年前の夏、全国の頂点に立ってから続いた天理の一時代は、奇しくもその時に全国の扉をこじ開けた、この橿原の地で一旦の区切りを迎えることになった。

 

367日ー。南部が1年越しに掴んだ、悲願の明石への切符。天理の好投手別所に対して、上位から下位まで8安打を浴びせ、粘り強く戦った。宮本は四球1と持ち前の制球力をこの大舞台でも発揮。ストライク先行で優位に試合を進めた。天理打線に6安打を許したものの、決定打を与えなかった。

1年前の悔しさは、何倍もの歓びになって南部ナインを包み込んだ。15人の精鋭たちが5年ぶりの明石へ挑む。

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