レポート近畿

【観戦レポ】東山(京都1位)- 比叡山(滋賀1位) 平成29年度春季近畿地区高校軟式野球大会 準決勝

レポート
2017/06/10
紀三井寺公園野球場
平成29年度春季近畿地区高校軟式野球大会 準決勝

東山と比叡山。京滋の県境を挟んで東西に位置する両校はともに近畿大会常連校。これまで幾度となく公式戦で顔を合わせては熱い戦いを繰り広げてきた。

秋の近畿大会では比叡山は2回戦で、東山は準決勝で揃って初芝富田林に敗れた。東山は準決勝で延長10回から適用されたタイブレークの末敗戦、ベスト4に終わった。

東山はこの春、京都府大会準決勝で龍谷大平安との接戦を制すと、決勝では先の準決勝第1試合に登場した立命館を3-1で下し、京都1位で近畿大会に進出。初戦となった先の2回戦では阪南大高に3-1で勝ち準決勝に進んだ。

比叡山も秋に続き滋賀大会を制覇。決勝の大津商戦では背番号10の三上がノーヒットノーランを達成。近畿大会初戦は和歌山1位の新宮を4-1で下した。

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比叡山先発の左腕、唐島田は完璧な立ち上がりをみせる。一方、東山の嶋田は初回、2本の内野安打を許し一死1、2塁と走者を背負うが、落ち着いて後続を抑える。比叡山は2回にもヒット2本で二死ながら1、3塁と先制のチャンスをつくるが、新居は三振に倒れる。

 

0-0のまま迎えた4回表の東山の攻撃。先頭の十二里が四球で出塁すると、パスボールで一気に三塁まで進み無死3塁。3番金がライトオーバーのスリーベースを放ち東山が先制。更に2つの四球で一死満塁とするが、ここは唐島田が踏ん張る。

先制点を許した比叡山だったが、その裏すぐさま同点に追いつく。二死2塁で播摩がライトに弾き返し試合を振り出しに戻す。

同点とされた東山が5回表に四球とヒット、犠打で一死2、3塁と勝ち越しのチャンスとした場面で、比叡山は唐島田に代えて三上をマウンドへ送る。その三上はこのピンチを内野ゴロと三振で切り抜ける。

試合はそのまま終盤戦へ。

7回表、東山は先頭が死球で出塁、9番の辻が高く叩きつけてサードの頭を越すヒットを放ちチャンスを広げると、犠打で一死2、3塁に。打席には十二里。この場面、比叡山の三上の投球の直後に主審がプレーを止めると、ボークを宣告。予想しなかったかたちで貴重な勝ち越し点が東山に入る。更に一死2、3塁と東山が一気に突き放しにかかるが、失点後の動揺にも屈しない三上がこの場面を最小失点に押さえる。

1点を追う9回の比叡山の攻撃。先頭の播摩がセーフティバントで出塁し犠打で2塁まで進めるもあと一本が出ずに試合終了。東山が1点のリードを守り切り報徳学園が待つ決勝に進んだ。

攻撃陣がなかなか追加点を奪うことが出来ない中、エースの嶋田が奮闘した東山。決勝では数少ないと予想される得点機をものにすることができるか。

7回のあの失点について、比叡山の三上を責めることはできない。5回のピンチの場面に登板し無失点で切り抜けると、その後、東山に与えたヒットは僅か1本のみ。これ以上ない救援だった。打線は東山嶋田から9本のヒットを放ったが、残塁数10という数字が物語るように、得点圏で嶋田を打ち崩すことができなかった。

昨夏は近畿大会決勝で天理に敗れあと一歩全国に届かなかった比叡山。今年の夏の近畿大会は地元皇子山で開催される。この敗戦が「春でよかった」と言えるような、2ヶ月後を迎えることができるだろうか。

東山
000 100 100丨2
000 100 000丨1
比叡山

(東)嶋田 – 更田
(比)唐島田、三上 – 小東

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