延長17回。高校軟式野球ではよくあること、とまでは言わないものの、なくはない展開だ。
2017年5月3日に開幕した春季京都府大会。その開幕ゲームとなった龍谷大平安 – 京都翔英は延長17回にもつれこむ接戦の末、龍谷大平安が準決勝に進出した。過去22度の全国選手権出場、6度の日本一を経験している龍谷大平安。昨夏は5年ぶりに京都府大会を制すも、近畿大会1回戦で天理に敗れた。
秋の京都府大会を制した東山。2年前の第60回全国選手権に近畿代表として出場している。昨秋の近畿大会では2回戦で八尾(大阪)に勝利、準決勝では初芝富田林(大阪)に延長10回タイブレークの末、0-1で惜敗している。
両者は秋の準決勝で対戦、点の取り合いとなった試合は、延長10回、東山が5-4で勝利している。
(この試合は選手名の確認ができておりません。)
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龍谷大平安の先発マウンドに上った背番号7の左腕は立ち上がり制球が定まらない。初回、3つの四死球を与えいきなり二死満塁のピンチを迎える。ここで東山6番鎌田がライト前に弾き先制点が入ったかに思われたが、ライトから一塁への好返球でライトゴロアウト。龍谷大平安は初回をなんとかゼロに抑える。
一方東山の先発・嶋田は初回からテンポよく投げ込み龍谷大平安打線を討ち取っていく。若干サイド気味スリークォーターのその投球フォームは、筆者の記憶の片隅にあった2年前の全国出場時のエース・山﨑の記憶を呼び起こした。
龍谷大平安の先発左腕は立ち上がりこそ不安定だったものの、2回以降は立ち直る。しかし打線の援護のないまま迎えた4回表、東山に先制点を許す。東山先頭の櫻﨑がレフトへ高々と放った打球を龍谷大平安左翼手が落球し、無死2塁。送りバントで3塁に進めると、7番打者の二ゴロの間に生還する。
先制点をもらった東山嶋田は危なげない投球でイニングを重ねていく。6回には一死から龍谷大平安1番打者にライトオーバーのツーベースヒットを放たれるが、後続を二者連続三振に切って取る。7回にも先頭の4番岡嶋に左中間を破るツーベースヒットを浴びるが、ピンチを広げることなく無失点で切り抜ける。
龍谷大平安は6回表のマウンドからエースナンバーの長岡がリリーフする。オーバーハンドの右腕から放たれる速球には力があり、6、7回を無失点で抑える。しかし8回、一死から四球を与えると内野安打、四球で一死満塁のピンチを迎える。東山の7番松田を中飛に打ち取り二死とするが、続く8番嶋田に痛恨の押し出し四球を与え、大きな2点目が東山に入る。
東山2点リードのまま試合は最終回へ。龍谷大平安は先頭の安達がセンター前ヒットで出塁すると、3番打者もライトへヒットを放ち、無死1、3塁。ここで4番岡嶋がこの日3本目のヒットとなるレフト前タイムリーを放ち1点差とし、なおを無死1、2塁。一転して龍谷大平安がサヨナラのチャンスとする。
しかしここは東山嶋田が粘りを見せる。5番、6番打者を連続で三振に切って取り二死とすると、打席には7番長岡。打ち損じた打球がフラフラと一塁側の東山ベンチ前へ上がると、捕手の更田が確実にキャッチしゲームセット。東山が龍谷大平安の反撃を何とか凌ぎ切り勝利。7日に行われる決勝に進出した。
東山は3安打(4回の相手左翼手の落球がエラーならば2安打)と打線が振るわなかったが、先発の嶋田が要所を締め、何とか逃げ切った。攻守でミスらしいミスは見られず、手堅く勝利を掴んだという印象だ。秋は近畿大会ベスト4。この春、2年ぶりの明石へ向けて、1試合でも多く公式戦を戦い経験を重ねたいところ。
秋に続き東山に1点差で敗れた龍谷大平安。放った安打は東山の倍の6本。最終回に粘りの攻撃を見せただけに、8回のエースが与えた押出し四球が悔やまれるところ。夏の三度目の対戦を見据え、この春の敗戦を糧にしたい。
東山
000 100 010│2
000 000 001│1
龍谷大平安
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