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【観戦レポ】八尾ー阪南大高 平成29年度春季近畿地区高校軟式野球大阪府大会準決勝

レポート
2017/05/07
寝屋川公園野球場
平成29年度春季近畿地区高校軟式野球大阪府大会 準決勝

秋の大阪府大会は3位で近畿大会に進んだ八尾。初戦で六甲学院(兵庫)に勝利し2回戦では東山(京都)に敗れたが、ベスト8入りを果たした。その躍進のはじまりとなった大阪府大会1回戦の相手が阪南大高だった。

秋の1回戦は1-3で敗れた相手と、今度は準決勝で戦う権利を得た阪南大高。この春は1回戦で大商大高、2回戦では昨夏の選手権大阪府代表の河南、3回戦では都島工と府内の実力校との連戦を勝利し勝ち上がってきた。一冬を超え、春もここまで勝ち上がったチームの今の実力を測る上で恰好の相手との対戦となった。

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阪南大高の先発は背番号6の辻。初回は投球が安定せず、一死から2つの四球で得点圏にランナーを背負うも、三盗を試みた二走を捕手の重田は落ち着いて刺殺。更に二死から再び仕掛けられた三盗も難なく処理。辻は初回に3つの四球を与えながら、無得点で切り抜ける。

八尾の先発マウンドに上がったエースの宇治田も先頭を四球で出すが、次打者の犠打を捕手の吉井が好判断で二塁へ送球し封殺。こちらも捕手が先発投手の立ち上がりを守備でバックアップする。

2回以降は打たせて取る投球でリズムを作った阪南大高の辻。2、3回を簡単に抑えると、4回は二死から四球とボークで2塁まで走者を進めるが、後続をしっかりと切る。

対する八尾の宇治田は毎回先頭打者に出塁を許す苦しい投球が続く。3回は二死3塁の場面を迎えるが三振で何とか凌ぐ。

しかし4回、3、4番に連打を浴びると、5番重田の三塁線への送りバントを捕球した宇治田はどこにも投げることができず、無死満塁のピンチを迎える。しかしここは三振で1アウトを取ると、次打者が仕掛けたピッチャー前に転がるスクイズを落ち着いて処理しホームゲッツーでスリーアウトチェンジ。八尾にとっては絶体絶命のピンチを切り抜け、阪南大高はこれ以上ない先制のチャンスをものにすることができない。

こうなると流れは八尾に傾くかに思えたが、ピンチを乗り切ったあとの攻撃も簡単に3人で終わり、八尾は試合の主導権を引き寄せることができない。

すると6回裏、4回のチャンスを逃した阪南大高が先に試合を動かす。一死から3番辻が右中間にヒットで出塁。二死で5番重田が放ったセンターの前へ落ちそうな打球に対して八尾の山本が思い切って飛び込む。しかしボールは後方に抜け、一塁ランナーが一気に生還。打った重田も本塁突入を試みここはアウトになるが、阪南大高が欲しかった先制点を遂に手にする。

更に7回、阪南大高は先頭の田中が右方向への二塁打で出塁。続く7番音羽もレフト前へ放ち続くと、ここで八尾レフトが後逸し、二走の田中がホームイン。阪南大高が2-0と点差を広げる。

6回に初めてヒットを放たれた阪南大高の辻だったが、先制点、追加点をもらった後も落ち着いた投球を続け、坦々と八尾の各打者を打ち取っていく。2点差のまま迎えた最終回。二死とすると宇治田を三振で切って試合終了。秋に1回戦で敗れた八尾を相手に2-0の完封勝利。14日の決勝の舞台に進むとともに、近畿大会への出場権を獲得した。

立ち上がり苦しんだ阪南大高の辻だったが、結局ピンチらしいピンチはその後訪れなかった。相手の拙攻に助けられた部分もあったが、最後まで3塁にすら走者を進めない完璧な投球だった。主将自らがマウンドに立ち、チームを近畿大会へ導いた。攻撃も8安打と奮闘した。

この日、八尾エースの宇治田に最後まで笑顔はなかった。先頭打者を打ち取ったのは5、6回の2イニングのみ。苦しむエースを支えようと、バックが仕掛けた積極的な守備は結果的に試合を決定付けるプレーとなってしまった。攻撃も阪南大高の辻を前に良いところがなく僅か1安打。4回のピンチを凌いだ後に一気に試合の流れをものにできなかったことが後に響いた。

八尾
000 000 000丨0
000 001 10X丨2
阪南大高

(八)宇治田 – 吉井
(阪)辻 – 重田

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