インタビューコラム

【快進撃】大人になった「東京軟式最強世代」の次なる挑戦|東京 All Stars(文京区リーグ2部)

インタビュー

2016年の夏、2年ぶりに東京都代表として全国選手権大会に出場した早大学院は、作新学院などを下して、全国準優勝を果たした。

あれから7年。東京ではその強豪校と明石を争った元高校軟式球児らによる「旋風」が巻き起こっている。

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田中和貴さん(日体大荏原-日体大)と山本裕二さん(安田学園-創価大)は、ともに高校3年生の夏、選手権都大会で早大学院と対戦した。

遡ることその1年前。2年生だった2人は大会のボールボーイがきっかけで、親交を結んだ。大学ではそれぞれが軟式野球を続け、社会人になった2020年に、それまで温めていた「草野球チームを作る」という計画を実行に移す。

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高校時代の田中さん(左、選手権大会は都大会ベスト4)と山本さん(右、同準優勝)。

コンセプトは東京の高校軟式OBを中心としたチームづくり。同世代や知り合いに声をかけ、約20名、17歳から26歳の選手とマネージャーが集まった。田中さんが選手兼監督、山本さんはキャプテンに就任。「東京の高校軟式を背負って戦う」という決意の下、チーム名は「東京 All Stars」に決まった。

グラウンドを確保するのも一苦労な東京において、月に1回の全体練習で連携を高めている。ただし、あくまで草野球チーム。「楽しむことを第一に、やるときは本気で勝ちにいく」ことをモットーに活動している。

育てられた高校軟式に対して、僕らなりにできることを

東京 All Starsは2023年度から東京都文京区軟式野球連盟主催のリーグ戦、さらに私設大会の「ダイヤモンドベースボール」に参戦した。

文京区2部からのスタートになった連盟の春季大会。新規参入の東京 All Starsは、いきなり快進撃を見せ、初出場にして決勝戦に進出(執筆時点では決勝戦の開催日は未定)。すでに高校軟式出身者のレベルの高さを十二分に示している。

 

 

「初めての公式戦で、各選手がモチベーション高く戦えています。たまたまかもしれませんが、サインプレーもかみ合っています」と田中さん。「みんながそれぞれの学校で培ってきた野球観を尊重しつつ、チームを作ることを大切にしています」。

山本さんも「ほとんどが高校軟式出身の選手なので、仲の良さや連帯感は強み」と胸を張る。

東京 All Starsの目下の目標は文京区1部リーグへの昇格だ。リーグ戦を勝ち上がれば文京区代表として東京都大会、さらには全国大会への道もひらかれる。

一方でチームの根底には「自分たちが育てられた高校軟式をもっと盛り上げたい」という思いもある。

「例えば、東京 All Starsと東京都の各学校さんとで、練習試合なんかができたらいいな、と思っています。その様子をSNSで発信して盛り上げられたら」と田中さんが胸の内を明かせば、「ありがたいことに自分たちは今でも『最強世代』と言ってもらえることが多く、活動に興味を持って下さる監督さんもいらっしゃいます。自分たちのやり方で、高校軟式を活性するきっかけを作れたら」と山本さんも前向きだ。

史上稀に見る好選手がそろった98-99年生まれの黄金世代。これはただの偶然ではなかったのかもしれない。東京軟式の酸いも甘いも知った「オールスター」たちによる、高校軟式球界への恩返しは、今、始まったばかりだ。

2023年6月時点、今季は負けなしの11連勝と勝ち続けている東京 All Stars

東京 All Stars
・HP(teams):https://teams.one/teams/98allstars
・Instagram:@tokyo_allstars
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