コラム

明石に出て東大に行くのは可能か

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こんな記事を見かけた。

甲子園に出て東大へ行く、は可能か。流行は文武両道ならぬ文武“別”道。(広尾晃)
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日本人は文武両道を良しとする風潮があるが、東大、京大合格者数上位校で甲子園に出場経験がある=文武両道を実践している学校はどれくらいあるのか調べてみた、というのがこの記事の趣旨。

記事によると、「甲子園出場」という部活の結果と「東大合格」という勉学の結果を両立することは、改めて非常に難しい課題だと報告されている。文末では名門の大阪桐蔭高の例が上げられ、あくまで進学実績を上げているのは進学に特化した別コースの学生であり、今や文武両道は絶滅危惧種ではないか、という言葉で締められている。

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東大、京大上位進学校の中には明石出場校も

筆者が言いたいことについて既にピンときた方もいるだろう。

上の記事で挙げられている学校の中には軟式野球部がある学校が少なくないのだ。

東大上位進学校の中には、1位の開成に始まり、麻布、聖光学院、栄光学園(全国出場1回)、駒場東邦(全国出場2回)、東京学芸大附が、京大の一覧にも東大寺学園(全国出場3回)の名前が見られる。

また今回ここで名前が出ているのは全国のほんの一部の学校であり、全国各地でその地域の進学校と呼ばれる公立校や中高一貫教育を行う私立校などにも軟式野球部があるケースは多い。皆さんの近隣にも思い当たる学校があるのではないだろうか。

「甲子園&東大」は難しいが「明石&東大」は可能か

記事の中にあった東大上位進学校の中に甲子園出場経験校はなかったが、軟式の全国大会出場校は栄光学園と駒場東邦があった。「甲子園に比べて明石には行きやすい」ということを強調するつもりは全く無いし、それが本意ではない。しかし、確率の話として夏の全国選手権に出場し、その後の受験で東大に合格する、というストーリーを描いたとしても、それは全くの夢物語ではない。

適度な運動が学業に与える影響 「考える」力が部活に与える影響

全く運動をしないよりも、適度に体を動かしたほうが良い成果が出やすいのは、勉学に勤しむ学生だけでなく、日々仕事を行う社会人でも同じこと。

また、机の上で行う勉強で身につけた考える力や教養、観察、分析する力などは、グラウンドでは個人の競技スキルの向上やチームの課題の解決にもプラスにはたらくはずだ。

自分で考えられるアスリートは強くなる。

目標が2つあることの強み

別に2つに限ることはないが、高校時代に「明石」と「進学」という2つの大きな目標を目指せることは大きなことだ。もちろんやるからには明石にも行き、自分が志望する学校にも進学することを目指したい。しかし、仮に明石に出場できなくても、その悔しさを次は勉強で晴らせば良い。

目標が複数あるということは、目標が進学だけの学生よりも幸せなことだと思う。

明石だけに高校時代のすべてをかけて欲しくない

土日は1日12時間以上部活動に時間を割くような高校時代を過ごした身として、15〜18歳という高校時代に、部活動にそれほど時間を取られることはとても勿体無いし、もっと練習の効率を高める方法はあったような気がする(もちろんそれぞれの学校の方針がある)。

高校生には今しかできないことをして欲しい。そして、安易に将来の可能性を狭めないで欲しい。

進学や他の目標があってもいい、むしろあった方がいい。それらの目標がベースに合った上で、更に明石を目指して欲しいと筆者は思う。

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