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【観戦レポ】上田西(北信越)ー 天理(近畿) 第61回全国高校軟式野球選手権準決勝 

レポート
【観戦レポート】
第61回全国高校軟式野球選手権 準決勝
上田西(北信越)- 天理(近畿)
2016/08/28 明石トーカロ球場

昨年涙を呑んだ舞台、全国選手権準決勝までやってきた上田西は、エースの坂口の復調が心強い。昨年夏を経験した選手を中心に1年越しの決勝進出を狙う。

この大会、最も粘り強く戦い、そして最も勢いに乗っている天理。1回戦の能代戦は延長14回タイブレーク、準々決勝の桜丘戦は3点差を追い付き延長13回タイブレークで勝利、脅威の粘りで準決勝まで進んできた。勝負強い戦いをこの準決勝の舞台でも見せることが出来るか。

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1回裏の天理、先頭の松本がセンター前ヒットで出塁。二塁まで進めるもランナーのリードが大きくなったのを上田西坂口が落ち着いて対処し、ランナーアウト。二死から長瀬がレフト線へ二塁打、4番水﨑の放った強い打球はショートの正面を付き3アウト。得点には至らないものの初回から天理攻撃陣が攻めの姿勢を見せる。

天理先発の大瀬は1回戦14イニング、準々決勝は3回途中から13回まで登板した疲れを見せることなく、立ち上がりから普段通りの投球で上田西の打者を打ち取っていく。さすがは準決勝まで進んできた上田西の各打者は、ヒットこそ少ないものの、しっかりと大瀬の投球を捉え外野まで運ぶ。上田西は4、5回とヒットでランナーを出すがチャンスを広げることができない。天理打線も3、4、5回と毎回のようにランナーを出すものの上田西坂口が最後の一本を許さない。

試合はハイペースでイニングを重ねていく。お互い突破の緒が掴めずスコアボードに0が並んでいく。両チームとも準々決勝で延長戦を戦っており、この試合は9回で決着を付けたいところではあるが、球場には延長戦の雰囲気が漂い始める。

そんな中、天理は9回裏、絶好のサヨナラのチャンスを迎える。
先頭の水﨑が内野安打出塁、盗塁、犠打、四球で一死二、三塁。打席には1回戦でサヨナラヒットを放っている植田。上田西バッテリーはここで植田を歩かせ一死満塁とする。
ここから上田西坂口が意地を見せる。堤をキャッチャーフライに仕留めると、代打菅野に対しても渾身の投球で打球を前に飛ばせない。キャッチャー後方に飛んだ打ち損じを片山がダイビングキャッチ。3アウト。上田西が九死に一生を得ると同時に、試合は今大会6試合目の延長戦に入る。

10回、またしても天理にサヨナラのチャンスが巡ってくる。
先頭の松本がこの日3安打目となるセーフティーバントを決めて出塁。続く大瀬もライト前に繋ぎ、犠打で一死二、三塁に。4番水﨑が歩かされ、9回に続き一死満塁と天理が上田西を追い詰める。

打席には5番板倉知。右方向に転がした打球はセカンド正面を付き、本塁に送球される。しかし、その送球がキャッチ前に弾む悪送球となり、三走の松本がホームイン。天理が今大会2度目のサヨナラ勝ちで初の決勝に駒を進めた。

上田西は天理大瀬を前に散発3安打、3塁まで1度もランナーを進めることが出来なかった。

劇的なサヨナラ勝利にも天理木田監督は厳しいコメントを残している。
「自分たちの野球ができていない。大瀬におんぶに抱っこ」。
指揮官は敢えて厳しい言葉を選び、チームを引き締めた。明日、初優勝を懸けて早大学院との大一番に臨む。

上田西(北信越)
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000 000 000 1X│1
天理(近畿)

(上)坂口ー片山
(天)大瀬ー長瀬

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