作新、中京が貫禄勝ち、3年ぶりの頂上決戦へ。初出場2校はベスト4で力尽きる
決勝は作新学院と中京の本命同士の対戦に決まった。
第56回全国高校軟式野球選手権は28日、明石トーカロ球場にて準決勝2試合を行った。
第1試合、初出場でベスト4まで勝ち進んだ地元兵庫の神戸学院大付と、昨日、前回王者の能代(秋田)を接戦で制した作新学院(栃木)との一戦は、序盤、中盤に効果的に得点した作新が、大塚、神山の完封リレーで神院大付をシャットアウト。2年前の全国制覇以来となる決勝進出を決めた。
第2試合は昨日の試合で史上2人目の完全試合を達成した下田を中心に、打撃でも存在感を見せてきた中京(岐阜)と、1回戦でノーヒットノーランを達成した佐川擁す初出場、富岡東(徳島)との超エース対決。中京は初回に3点を先制すると、3連投となる下田は、疲れを感じさせない、昨日に引き続き安定した投球を披露。終わってみれば8得点、被安打1で富岡東に貫禄勝ち。3年ぶりの作新との最終決戦に挑む。
完封リレー 作新が3試合0失点で決勝へ
作新は初戦の境(鳥取)、能代(秋田)、そして今日の神院大付と3試合連続で完封勝利を収めた。これまでの2試合は大塚が一人で投げ抜いてきたが、今日は神山が継投し、相手を0に封じた。作新にとって、今日の継投は、これまで一人で投げてきた大塚の負担を減らせたことに加え、全国初舞台で堂々と0失点に抑えた神山への信頼を確信する機会にもなった。絶対的なエースの後ろには準備しつくされた投手がいることで、味方にとっての安心感、相手に与える驚異は大きなものになるだろう。0失点の立て役は鍛え抜かれた守備によるものも大きい。例年以上に守備力に自信を感じさせる作新は、明日の決勝でも完封勝利を目指す。
8得点 中京打線に復調の兆し
中京は富岡東に8得点の大量得点を挙げ、打線復調に確かな手応えを掴んだ。地方大会から打線の好調をキープしてきた今年のチームだが、全国1回戦、準々決勝は好投手相手にこれまでのような圧倒的な得点力を見せることはできていなかった。昨日の河浦(熊本)戦、2回以降に得点を挙げられなかったことを、試合後の指揮官は指摘したが、今日の試合はきっちりと終盤8回のダメ押しの加点に成功している。一日でチームの課題を克服し、決勝の舞台にいい流れで臨む中京は、平中監督が主将を務めて全国制覇をした1999年以来、12年ぶりの頂点を今年こそ狙う。
明日の決勝。2006年、2008年と同一カードとなった。成績は作新の2勝。過去5年、全国制覇を目前にして、中京は同じ相手を前に悔しい涙を流してきた。しかし今年は少し、過去2回の対戦とは違った雰囲気を感じている。
それはこれまでの「打の作新、投手の中京」というイメージとは違った両チームの姿にある。2006年は中京の本格右腕、伊藤に、2008年は2年生エース長谷川に、強打を誇る作新が打ち崩しにかかる、というチーム関係だった。しかし、今年の両チームには、その関係構図の逆転が見て取れる。
作新は今年、3人の右腕を擁し、今日の試合も大塚、神山の継投を見せるなど、これまで3試合を全て0点に押さえてきた。得点は初戦から2、1、3と最低限の得点を守りきってきた。
対する中京。エース下田が完全試合を達成したことに注目が集まりがちだが、初戦から3、4、8得点と得点能力に長けている。東海決勝までにも1試合平均6得点と、守備からリズムを作る中京にとって、近年稀に見る打力を兼ね備えたチームに仕上げてきた。
「投の作新、打の中京」。これまでとは違った展開が予想される両チームの決勝戦。作新が前人未到の9回目の全国制覇を成し遂げ、自身の最多優勝回数記録を伸ばすのか、3度目の正直、過去、本格右腕、伊藤、2年生エース長谷川を擁しても崩すことの出来なかった作新の壁を中京が打ち破るのか。いよいよ明日、2011軟式の頂点が決まる。試合は11:00から、明石トーカロ球場にて。
■28日の結果
▽準決勝
作新学院(北関東/栃木)
020 100 000 ◆ 3
000 000 000 ◆ 0
神戸学院大付(兵庫)
富岡東(四国/徳島)
000 000 000 ◆ 0
300 001 04X ◆ 8
中京(東海/岐阜)
□29日の予定
決勝戦
@明石トーカロ球場
11:00 作新学院(北関東/栃木)ー 中京(東海/岐阜)
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