コラムその他全国日程・結果

【甲子園】全国高校軟式野球選手権大会70回記念 春の軟式交流試合in甲子園が開催へ

甲子園 コラム

日本高野連は6日、2025年5月5日(月・祝)に阪神甲子園球場で「全国高校軟式野球選手権大会70回記念 春の軟式交流試合in甲子園」を開催することを発表した。

2025年夏に高校軟式野球の全国選手権大会が70回の節目を迎えるこのタイミングで、全都道府県から選手を選抜して東西交流戦を行い、高校軟式野球の魅力の発信、軟式野球の普及と振興を図る。

高校軟式野球が高野連主催の大会・事業として甲子園球場で開催されるのは史上初。

開催要項

  • 主催:公益財団法人 日本高等学校野球連盟
  • 後援:朝日新聞社、毎日新聞社(両社とも予定)
  • 特別協力:阪神甲子園球場
  • 日程:2025年5月5日(月・祝)
  • 出場チーム:軟式野球部の加盟校を持つ都道府県を東日本、西日本の2ブロックに分け、各ブロックの加盟校の部員から選手を選考しチームを編成
    • 東日本ブロック: 北海道、東北、関東、北信越
    • 西日本ブロック: 東海、近畿、中国、四国、九州

東日本選抜チーム

背番号 都道府県名 学校名 選手名 学年 守備
責任教師 神奈川 三浦学苑 岡村 悟司
監督 宮城 仙台商 西山 康徳
コーチ 北海道 登別明日 葛西 健太郎
コーチ 長野 長野工 波田野 道希
記録員 宮城 仙台商 廣野 愛梨咲 1年
7 宮城 東北 後藤 大輝 2年 投手
9 山形 羽黒 會田 大嘉 2年 投手
14 栃木 文星芸術大附 明才地 倖太 2年 投手
17 千葉 拓大紅陵 森川 天太 2年 投手
20 神奈川 三浦学苑 出口 未來 2年 投手
22 長野 松商学園 本木 魁星 2年 投手
23 長野 長野工 小田切 音和 2年 投手
1 北海道 登別明日 尾崎 佑成 2年 捕手
6 岩手 専大北上 名須川 瑠斗 2年 捕手
11 茨城 古河中等教育 中島 陽翔 2年 捕手
19 東京 城西大城西 石川 雅規 2年 捕手
21 神奈川 栄光学園 多田 進之助 2年 捕手
24 新潟 新潟商 渡邉 陣 2年 捕手
2 北海道 北海道科学大 白濱 琢磨 2年 内野手
3 青森 弘前工 佐藤 耀 1年 内野手
4 秋田 秋田工 進藤 海星 2年 内野手
10 茨城 茗溪学園 栗原 秀翔 2年 内野手
13 栃木 作新学院 新井 絢斗 2年 内野手
16 埼玉 花咲徳栄 加藤 弘輝 2年 内野手
18 東京 駒場東邦 中根 航太ジェームズ 2年 内野手
25 富山 富山商 岡田 凱世 2年 内野手
5 秋田 秋田 藤原 大侑 1年 外野手
8 宮城 仙台商 引地 遼汰 2年 外野手
12 栃木 白鷗大足利 藤村 厚志 2年 外野手
15 群馬 高崎工 樋口 陽斗 2年 外野手

西日本選抜チーム

背番号 都道府県名 学校名 選手名 学年 守備
責任教師 岐阜 恵那 加藤 貴裕
監督 熊本 開新 浅井 重行
コーチ 島根 浜田 本田 知紀
コーチ 大阪 興國 五十嵐 公三
記録員 熊本 開新 藤本 琉星 2年
1 愛知 東邦 氏原 奏達 2年 投手
6 京都 京都翔英 大橋 輝雄 2年 投手
12 島根 浜田 田中 瑛士 2年 投手
13 岡山 高梁城南 土屋 海旺 2年 投手
20 徳島 富岡東 吉田 倫太朗 2年 投手
21 熊本 文徳 川﨑 翔太郎 2年 投手
2 岐阜 恵那 岩山 大翔 2年 捕手
10 大阪 河南 南 大和 2年 捕手
14 広島 広島商 原川 快理 2年 捕手
18 愛媛 新田 大内 陽聖 2年 捕手
22 大分 津久見 橋本 大空 2年 捕手
3 静岡 静岡商 杉浦 祥太 2年 内野手
5 滋賀 比叡山 片木 耕太 2年 内野手
7 奈良 天理 勝又 瑠威 2年 内野手
11 大阪 興國 坂口 卓弥 2年 内野手
15 鳥取 米子東 足達 大輝 2年 内野手
16 山口 山口農 三浦 綾峨 2年 内野手
19 香川 香川誠陵 木村 友祐 1年 内野手
20 鹿児島 鹿児島 佐藤 奏太 2年 内野手
24 長崎 五島南 早川 駿哉 2年 内野手
4 三重 高田 山本 錬 2年 外野手
8 兵庫 育英 大塚 亮汰 2年 外野手
9 和歌山 耐久 山下 昊悦 2年 外野手
17 島根 浜田 宮家 遙生 2年 外野手
25 福岡 朝倉東 新原 旭斗 2年 外野手

参照:日本高等学校野球連盟

見出された絶妙な着地点

「高校で軟式を選ぶ理由って何なん」ー。

高校軟式に関わったことがある人間なら、必ず一度は投げかけられたことがある言葉。理由は人それぞれだからここでは取り上げない。それよりも、その質問にはほとんどの場合、質問者に自覚があるかどうかにかかわらず「甲子園」が前提にある。もっと言うなら「甲子園を目指さない高校野球って何のためにやるの?」というニュアンスが含まれる。

今回の事業が継続的なものになる保証はまだないものの、軟式球児でも甲子園を目指せるようになる。

もう「高校野球をやってました」「じゃあ、甲子園を目指してたんですね!」「いや、自分は軟式ってのをやっていて、同じ兵庫k……」なんていう、99%微妙な空気になることがわかりきっているコミュニケーションが不要になる。胸を張って「そうですね、目指していました」と言えるようになる。

今回の事業の実現に尽力された各校先生、関係者、高野連のご尽力に最大限の敬意と感謝の気持ちを示したい。軽々しく語れることではないことを理解した上で、個人的には今回の「交流戦」はこれ以上ない絶妙な着地点であり、画期的なものだと考えている。

▼開催の実現性

  • 1日だけの開催、全国審判講習会と同日開催とすることで、複雑な日程調整や予算のハードルを最小限とし実現可能性を最大限に高めた

▼聖地「甲子園」

  • 軟式球児でも「甲子園」を目指せるようになる。「個人でも甲子園への可能性があるなら」と中学生やその保護者にとって高校野球の新しい選択肢となる
  • 軟式の指導者も「甲子園」を目指せるようになる
  • 少なくとも現時点では明石は明石(夢舞台)であり続ける

▼高校軟式の露出

  • 選抜選手による試合は、高い競技水準が期待できる。高校軟式を初めて見る人にもレベルの高さを実感してもらえる。高校軟式の固定観念が覆り、新しい高校野球観戦の楽しみが増える
  • 春に全国の主力選手を知ることができ、夏の選手権がより楽しめるようになる。見え方が変わる(東日本代表選手がいる◯◯高校のように)
  • 高校軟式のトップ選手が一同に会することで、大学や社会人など野球関係者が高校軟式の「原石」を知る機会になる

▼選手の競技力向上

  • トッププレイヤーの交流により、知識が平準化して地域差がなくなり、より高い水準の競り合いが期待できる
  • GWという夏に向けた重要な時期に開催することで、出場した選手が経験を各校に持ち帰ることができる
  • 「夏は選抜の◯◯選手がいる◯◯高校に勝つ!」というように、他校の選手にとってもモチベーションになる

改めて、現時点では2026年以降の開催は未定であり、継続的な大会にしていくためには2025年の「交流大会」の盛り上げは不可欠となる。

多くの関係者の長年の尽力によってつかみ取ったこのチャンス。未来の軟式球児のために「オール高校軟式」で盛り上げたいし、当サイトも微力ながら発信していきたい。

タイトルとURLをコピーしました