レポート近畿

【PL学園vs初芝富田林】PL殿納が完全試合を達成 決勝進出 第63回全国高校軟式野球選手権大阪大会 準決勝

レポート
2018/08/03
住之江公園野球場
第63回全国高校軟式野球選手権大阪大会 準決勝

昨夏、下級生中心のチームで全国の舞台に立ったPL学園。秋、春も勝負強い野球で大阪を連覇。秋は近畿準優勝、春は初戦の2回戦で天理に敗退したが、接戦を演じた。7/31と遅い登場となった今年の夏は、初戦の関大一戦を1-0で勝利、3回戦の長尾戦では二枚看板の一角・左腕の岩下がノーヒットノーランを達成してベスト4入りを果たした。

第54回大会(2009)から大阪を4連覇した実績がある初芝富田林も6年間、明石から遠ざかっている。昨秋は3回戦で阪南大高に13回タイブレークの末に敗れ、春は1回戦で浪速を前に敗退。しかしこの夏は初戦となった2回戦の大産大附を降すと、3回戦では2年連続で選手権大阪大会準優勝を果たしている興國との接戦をものにし、王者PLへの挑戦権を手にした。

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PL学園の先発は2回戦の関大一戦で完封した殿納。昨夏はエースナンバーを付けて全国を戦ったが、今夏は岩下のそれを譲った。しかし、さすがはPLの1番を背負った選手。あと2勝で大会連覇がかかる重要な試合にもかかわらず、いつもと何ら変わらない雰囲気で、試合開始から淡々とアウトカウントを重ねていく。

初芝富田林の先発増本も制球が冴える。ときどき甘く入った球をPL学園の打撃陣に痛打されることはあったが、初回、3回と3塁にランナーを背負う場面も、落ち着いて難を逃れる。

殿納、増本がスコアボードにゼロを刻み続けた試合は、6回に動く。6回表、PL学園先頭の森が左中間を破るスリーベースを放つと、続く3番相曽がしぶとく三遊間にヒットを放ち、連打で先制。

さらに7回表、エラー、ヒットで一死1、3塁とすると、2番森が叩こうとした打球がレフト前にぽとりと落ちて、三走が生還。森のこの日3本目のヒットがPL学園に貴重な追加点をもたらし、2-0とリードを広げる。

ときおりマウンドで笑顔を見せる殿納はリードを奪ったあとも、投球に変化はなかった。スイスイと、泳ぐような独特のテンポで、初芝富田林打線につけ入るすきを与えない。そして、2-0で迎えた9回裏。27人目の打者を三振で仕留めると、この日初めてマウンド上で大きなガッツポーズを見せた。3回戦岩下のノーヒットノーランに続き、今度は殿納が完全試合を達成。王者PL学園が連覇に王手をかけた。

PL学園
000 001 100│2
000 000 000│0
初芝富田林

P)殿納 – 相曽
初)増本、田中 – 藤井

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殿納の完全試合。これはPL学園というチームとしての完全試合だった。内野手を中心とした守備力は全国でも随一。ミスがない。そして一人ひとりの鍛え上げられた能力がとても高い。例えば7回、サードへの誰もがファウルゾーンに落ちると思った小フライを素早い反応をみせた右田がキャッチ。9回表、初芝富田林26人目の打者がライトに放った打球を谷口がダイビングで掴んで、完全試合をほぼ手中に収めた。

決勝戦の相手は2年ぶりの全国を狙う河南に決まった。昨夏果たせなかった全国でPLの校歌を高々と響かせるためには明石行きは絶対に決めなければいけない。PL学園軟式野球部、いよいよ集大成を見せるときがきた。

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