J:COMスタジアム土浦
2016年秋の関東を制し、昨春はベスト4。満を持して臨んだ夏の選手権は神奈川大会準決勝で敗退した法政二。秋は神奈川大会3回戦で敗れ関東大会出場を逃した。この春は神奈川2位として関東に帰ってきた。1回戦では屈指の好カードとなった昨夏全国準Vの茗溪学園との一戦を制した。
駒場東邦は昨秋の関東大会を28年ぶりに優勝。上級生が抜け1、2年生だけで臨むハンディをものともせず、この春も東京を制して二季連続の関東大会に出場してる。前日の1回戦は埼玉2位の熊谷と対戦。終盤に3点リードを逆転される苦しい展開も、再度試合をひっくり返しサヨナラで2回戦に進んだ。
両チームの好投手が素晴らしい試合をつくる。駒場東邦・サウスポーの大渕#10、法政二・鈴木玲#4によるテンポの良い投げ合いで試合が進む。両投手とも打たせて取る投球に徹し、また、そのバックを支える守備陣がどちらのチームもよく鍛えられており、両投手を後押しする。
先にチャンスをつくったのは駒場東邦。3回裏、ラストバッター渋澤がチーム初ヒットとなるライト線を破る三塁打を放ち得点に迫るがここは後続が続けず。法政二は4回表、先頭を四球で出し、3番鈴木玲のヒットなどで一死2、3塁とする。二死後、6番古田の打球が大渕のグラブを弾き、先制かと思われたが、ショートの今井が華麗にフォローしてここも無得点に終わる。
0-0のまま後半へ。グラウンド整備後の6回表、駒場東邦は5回を2安打1四球で先発の役目を果たした大渕に代えて、エースナンバーの松岡がマウンドへ。その立ち上がりを法政二は逃さなかった。先頭の中澤が内野安打で出塁、宇多も四球を選ぶと、一死2、3塁に。「1点はオーケー」と駒場東邦が通常シフトを敷く中、4番久保がショートへしっかりと転がし三走が生還。法政二が手堅い攻撃で先制点を上げる。
先制点をもらった後も法政二の鈴木玲の好投は変わらず。結局7回まで投げて被安打3、四死球ゼロという完璧な内容で後に控える投手陣に試合を託す。8回裏、そのあとを受けた宮田が一死後に連続四球を与えると、ベンチはすぐにエースナンバーの久米をマウンドへ送る。この場面で駒場東邦が思い切ってダブル・スチールを成功させ、一死2、3塁。9番渋澤が放った一塁方向へのライナーを法政二ファーストの鈴木利が好捕し2アウト。二死満塁となったが、この場面でも冷静を失わなかった久米が今井を捕ゴロに打ち取ってピンチを切り抜ける。
最終回も久米が3人で駒場東邦打線を抑えて、試合終了。法政二は昨年の春季関東大会に続き、2年連続の四強入りを達成。春の東京を制し、1、2年生だけで秋春連覇を狙った駒場東邦の挑戦はベスト8で終わった。
法政二
000 001 000│1
000 000 000│0
駒場東邦
法)鈴木玲、宮田、久米 – 菊本
駒)大渕、松岡 – 植松
駒場東邦の大渕、法政二の鈴木玲両先発のピッチングが素晴らしかった。先に動いた駒場東邦。エースの松岡の投球も申し分のないものだったが、結果的にはエースがマウンドに上がるタイミングが明暗を分けた。両チームとも無失策。ヒット数は3本ずつと、ハイレベルな試合だったことがスコアボードからも伺える。
2年連続の四強入りを果たした法政二。秋春連覇を狙った昨年は準決勝で敗退、高崎城南球場で涙を流した。春四強の壁を超えるべく、準決勝で茨城3位の東洋大牛久と対戦する。