レポート関東

【観戦レポ】慶應義塾(神奈川2位)ー早大学院(東京1位) 第65回春季関東地区高校軟式野球大会2回戦

レポート
2017/06/03 西毛総合運動公園野球場

秋は神奈川大会を準優勝で関東大会に出場するも初戦で茗溪学園に0-2で敗戦した。そしてこの春、神奈川大会では決勝で秋に続き法政二と対戦。序盤に得点し、2-0でリードのまま終盤まで試合を進めるも、法政二の終盤の底力に屈して逆転負け。またも準優勝で関東大会に進んだ。前日の1回戦では開催権群馬の1位校・桐生に7-0のコールドで勝利してこの日を迎えた。

東京の高校軟式野球はいま、早大学院の時代といっても過言ではない。
秋の関東大会は2回戦で法政二に悔しい逆転負けを喫し上位進出はならなかったが、この春も東京大会を圧倒的な強さで突破し、再び関東に挑んでいる。1回戦は埼玉2位の熊谷を5-1で下した。

慶應義塾vs早大学院。2017年春、群馬を舞台に高校軟式の早慶戦が実現する。

早大学院の先発のマウンドに上がった釜は、立ち上がりからいきなりピンチを招く。慶應義塾2番兵地に中越えの二塁打を放たれ得点圏に走者を背負う。しかしここは続く3、4番を連続で遊ゴロに抑えてピンチから逃れる。2回表も釜は先頭に死球を与え、二盗と犠打で一死3塁を迎えるが三振と二ゴロで慶應義塾に先制点を与えない。

早大学院も初回の攻撃、先頭の広崎がセンターに弾き返し出塁するが、二盗に失敗し先制のチャンスを広げられない。続く2回裏の攻撃にも先頭の鈴木がセンター前ヒットで出塁し二塁まで進むが後続が凡退。3回裏には一死2塁から広崎がレフト前に落ちる技ありの二塁打を放ち、一死2、3塁と今度こそ先制のチャンスを迎えるが、宝地戸の空振りの際に三走が三本間に挟まれてタッチアウト。

早大学院が再三のチャンスをものにできないでいると慶應義塾は4回表、先頭の河合がライトへ3塁打を放つ。一死後に5番西村がライトへ飛球を運び三走の河合がタッチアップ。ライトからの返球は大きく逸れ、ホームイン。先制点が慶應義塾に入る。

その後、試合はこう着状態が続く。慶應義塾先発の11番中野はなんとか粘りの投球で無失点を続ける。6回裏には早大学院が二死2、3塁と一打逆転のチャンスとし、4番の鈴木がセンターにいい当たりを弾き返すが正面。

一刻も早く同点に追いつきたい早大学院だったが、その気持ちは空回りするばかり。7回裏は一死2塁から有川の犠打で二走の釜が一気に本塁を突くがタッチアウト。8回裏には二死から広崎が四球を選ぶと、慶應義塾はエースナンバーの山元がマウンドへ。広崎が盗塁で二塁へ進むが、その後のエンドランで打者が空振りし、広崎は三塁上でタッチアウト。早大学院の攻撃が成就しないまま試合は最終盤へ。

そして最終回。慶應義塾の山元は最後のバッターを三塁ゴロに仕留めてゲームセット、準決勝進出を懸けた早慶戦は慶應義塾に軍配が上がった。慶應義塾は2年ぶりのベスト4入り。早大学院は秋に続いて関東大会2回戦で敗退となった。

慶應義塾ヒットは2本、早大学院は3本。慶應義塾は先制した4回表以降、早大学院に至っては3回裏の攻撃以降、結局最後までヒットが出なかった。だからと言って両チームの投手が完璧な投球をしたかと言えばそうでもなく、両チームとも攻撃、守備においても、どこか吹っ切れない我慢を強いられる試合だった。

慶應義塾はあす、千葉県大会を25年ぶりに制した木更津総合と対戦する。1回戦では佐野日大中等にサヨナラ勝ち、2回戦は強豪の茗溪学園に勝利して勢いに乗っている。早大学院に「ほぼ」抑えられた攻撃がどこまで奮起できるか、そして、中野、山元のどちらが、どのタイミングでマウンドに上がるかにも注目したい。

敗れた早大学院、この大会は背番号などから判断して、もしかしたらベストメンバーで戦えていなかったのかもしれない。その理由がどういうものであるかはさておき、秋春と関東で思うような結果を残せなかったこの現実をチームとしてどう消化していくか。もちろん選手の頭のなかには、昨年戦った全国の決勝の舞台が思い描かれているはずだ。昨年、取れなかったものを取るために、まずはその舞台に戻らなければならない。そして、そのための戦いに向けて残された時間はあと僅かだ。

慶應義塾
000 100 000丨1
000 000 000丨0
早大学院

(慶)中野、山元 – 石見
(早)釜、中田 – 今泉

タイトルとURLをコピーしました