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第62回全国高校軟式野球選手権大会を振り返って

第62回全国高校軟式野球選手権大会は、東海代表の中京学院大中京が3年ぶり8度目の優勝を果たして幕を降ろした。今大会の熱戦を振り返る。

第62回全国高校軟式野球選手権大会 全試合結果

1回戦 8/24
明石
福岡大大濠(北部九州)2-5 仙台商(南東北) レポート
文徳(南部九州)0-2 中京学院大中京(東海) レポート
8/24
姫路
四国学院大香川西(四国)1-4 富山商(北信越)
玉島(東中国)0-1 登別明日(北海道)
8/25
明石
天理(近畿)2-4 茗溪学園(北関東)
崇徳(西中国)0-1 早大学院(東京)(延長12回)
8/25
姫路
篠山鳳鳴(兵庫)4-3 木更津総合(南関東)(延長13回タイブレーク)
PL学園(大阪)2-5 専大北上(北東北)
2回戦 8/26
明石
富山商(北信越)1-2 登別明日(北海道) レポート
篠山鳳鳴(兵庫)1-0 専大北上(北東北) レポート
8/26
姫路
仙台商(南東北)0-6 中京学院大中京(東海)
茗溪学園(北関東)3-0 早大学院(東京)
準決勝 8/28
明石
中京学院大中京(東海)2-0 登別明日(北海道)(延長11回) レポート
茗溪学園(北関東)4-0 篠山鳳鳴(兵庫) レポート
決勝 8/29
明石
中京学院大中京(東海)1-0 茗溪学園(北関東) レポート

ディフェンスが際立った第62回大会

投高打低の印象が残る大会だった。決勝に進出した中京学院大中京はエースの佐伯が全国選手権4試合38イニング(予選を含めると70イニング)を無失点、茗溪学園は予選から8試合を無失策でこの夏を終えた。富山商や玉島なども守備が充実していた。茗溪学園の森岡、登別明日の長大聖、文徳の安武など右腕の快投が大会を盛り上げた。

3校が初の4強

ベスト4に3校が初進出。これまで上位進出を果たせなかったチームの奮闘が際立った。大会出場16校中、優勝経験校が4校、準優勝が3校、4強が3校と合わせて半数以上を占める中で、これまで初戦もしくはベスト8の壁に跳ね返されてきたチームが、歴史を塗り替えた。篠山鳳鳴は5度目の全国選手権で初勝利を上げると、4強に進出した。3人の投手が登板、少ないチャンスをものにする粘りの戦いをみせた。一方で、昨夏優勝の天理は1回戦で、同準優勝の早大学院は2回戦で姿を消した。熱中症による体調不良という不運があったものの、コンディションの管理を含め、全国で継続して勝ち続けることの難しさを思い知らされた。

チームの主軸を担う下級生

チームの主力を担う下級生の活躍が頼もしかった。中京学院大中京のエース佐伯をはじめ、同校で1年生ながら3番に座り、決勝でも2安打を放つなど全国制覇に大きく貢献した保木平(ほきひら)、茗溪学園やPL学園はスタメンの半数以上が下級生だった。他にも篠山鳳鳴の躍進の原動力となった市野(2年)、専大北上の菊池友(2年)や仙台商のエース佐藤らいむ(2年)、玉島の山下(2年)は1回戦で敗退するも13奪三振を奪う好投だった。

現行ボール最後の大会

そして、今大会は第51回大会(2006)から12大会で使用された現行のボールで行われる最後の大会となった。来年の第63大会からは「より硬式に近づく」新意匠のボールでの大会となる。この記事でも触れたが、この12年間、全国選手権においては投手有利の傾向がみられた。ボールが新意匠へと移行することで変わること、変わらないこと。高校軟式野球は、また新たな時代へと入っていく。

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