2011年8月28日 岐阜新聞
史上２人目のパーフェクトゲーム、作新、神院大付、中京、富岡東がベスト４進出
27日は明石トーカロ、高砂市両球場で準々決勝4試合が行われた。
伝統校同士の対戦となった中京ー河浦の一戦では、中京エース、下田が打者27人をパーフェクトに抑える完全試合を達成。史上2人目の快挙を成し遂げた。
能代、作新学院と昨年、一昨年の王者の激突は作新が終盤の貴重な先制点を守りきり、一昨年以来のベスト4へ進出。能代の連覇の夢はついえた。
初戦で全国初勝利を挙げた神院大付は天理との近畿勢対決に臨んだ。試合は０－０のまま延長にもつれ込み、迎えた15回、天理が待望の1点を先制すると、後がない神院大付は2点を奪い返しサヨナラ勝ち、２試合連続の接戦を制し、初出場ながら準決勝に進出した。
昨日、ノーヒットノーラン達成した好投手、佐川を擁する富岡東は東北学院と対戦。５回までに４点を失う１回戦とは打って変わって厳しいピッチングとなったが、打線は７回に一挙５点を挙げ、鮮やかに逆転勝ち。勢い止まらず、初出場で明日の準決勝に進んだ。
中京・下田 １点の悔しさが彼を完全試合男に
昨日の富岡東、佐川のノーヒットノーランを超える快挙を成し遂げたのは、中京のエース、下田だった。出場15回を誇る伝統校、河浦に対し、打者27人、98球、11奪三振、内野ゴロ11、外野ゴロ１、内野飛球２、外野飛球２と完璧に抑え、2009年、名城大付の小林以来、史上２人目の完全試合を達成した。
昨日の試合は２回に先制を許した。今夏初めて先制を許したことに対し、下田はその後の完璧な内容の投球にも満足していなかった。その悔しさを晴らす為の今日の試合、最初から狙っていた、と完封どころか、一人のランナーも許さないピッチングを披露してみせた。明日以降の試合も見据え、途中交代も視野に入れていたベンチに対し、続投を直訴。昨日の「たかが１点」は下田にとっては「されど１点」。その人一倍の負けず嫌いにして努力家は、チームとして３年ぶりの決勝、12年ぶりの全国制覇に向けて、慢心は一切ない。
能代 ミスをした方が負けるシビアな戦い
大会連覇を目指した能代は１球の暴投で連覇を逃した。７回、作新学院の攻撃。１死１、２塁から能代の先発、今西が投じた厳しいコースを狙ったカーブを捕手は止めきれずボールを見失った。その間に２塁走者が一気に本塁に生還。この１点が決勝点となり、作新が２年ぶりのベスト４にコマを進めた。
史上５校目の大会連覇だけを目標に、この１年間チームを鍛えあげてきた能代にとって、その１球のミスは残酷過ぎるものがあった。しかし、好投手が集う全国の舞台では、得点が入らない試合が多く、上手いチームが勝つよりも、ミスをした方が負ける確率の方が高いのかもしれない。そんな一球の怖さを思い知った能代。大会連覇の夢はベスト８でついえたが、この一球の経験を後輩たちが糧としてくれるはずだ。
明日は準決勝２試合が明石にて行われる。ベスト４には過去５年で２度決勝を戦った作新学院、中京と、初出場の神院大付、富岡東が進出。誰もがこの初出場２校の快進撃を予想していなかっただろう。準決勝は神院大付ー作新、中京ー富岡東と、順当に勝ち上がった優勝候補に、初出場校が挑む格好となった。今日の試合、どちらも劇的な逆転勝利を収めている初出場校勢が、勢いそのままにどこまで戦えるかが焦点。明日、29日のファイナリストが決す。
■27日の結果
▽準々決勝
能代（北東北/秋田）
０００ ０００ ０００ ◆ ０
０００ ０００ １０Ｘ ◆ １
作新学院（北関東/栃木）
（能）今西－青山（作）大塚－高橋
天理（近畿/奈良）
０００ ０００ ０００ ０００ ００１ ◆ １
０００ ０００ ０００ ０００ ００２ ◆ ２
神戸学院大付（兵庫）
（延長十五回）
（天）明石、山岡－矢野（神）宮武－貝塚
▽二塁打 明石、中村（天）
東北学院（南東北/宮城）
０２１ ０１０ ００１ ◆ ５
０００ ０１０ ５０Ｘ ◆ ６
富岡東（四国/徳島）
（東）後藤宏－岩間（富）佐川－布川
▽本塁打 市川（富）
▽三塁打 後藤宏（東）
河浦（南部九州・熊本）
０００ ０００ ０００ ◆ ０
０４０ ０００ ０００ ◆ ４
中京（東海・岐阜）
（河）池田－中崎（中）下田－森川
▽二塁打 森川（中）
□28日の試合
＠明石トーカロ球場
09:30 神戸国際大付（兵庫）ー 作新学院（北関東/栃木）
12:00 中京（東海/岐阜）ー 富岡東（四国/徳島）
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