レポート全国東海関東

中京vs茗溪学園|第71回全国高校軟式野球選手権大会 決勝

2026/08/29
明石トーカロ球場
第71回全国高校軟式野球選手権大会 決勝
チーム 1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
中京 0 0 0 0 0 1 0 6 0 7 9 1
茗溪学園 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 5 1
投手 左右 # 勝敗 回数 球数 S数 S% 打者 打数 安打 本塁打 四球 死球 三振 失点 自責点 暴投 ボーク
1 西尾 10 W 6.0 108 77 71 23 22 4 0 1 0 7 0 0 0 0
2 奥村 1 S 3.0 45 33 73 11 9 1 0 1 0 2 0 0 0 0
チーム 9.0 153 110 72 34 31 5 0 2 0 9 0 [0] 0 0
投手 左右 # 勝敗 回数 球数 S数 S% 打者 打数 安打 本塁打 四球 死球 三振 失点 自責点 暴投 ボーク
1 伊藤 10 2.0 31 16 52 9 4 1 0 3 0 2 0 0 0 0
2 森田 13 0.0 9 3 33 1 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0
3 小澤 1 L 7.0 123 73 59 34 28 8 0 5 1 2 7 2 0 0
チーム 9.0 163 92 56 44 32 9 0 9 1 4 7 [2] 0 0

※S数、S%は目安。公式記録ではありません。

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中京が終盤の猛打で全国選手権5連覇を達成した。

中京は過去3戦と同じく背番号10の西尾、茗溪学園も背番号10の伊藤が先発。

西尾は初回、いきなり茗溪先頭の高山にヒットを許し、四球で2死一、二塁になるがここを落ち着いて切り抜ける。茗溪学園の各打者に序盤から球数を費やされるが、丁寧にアウトカウントを積み重ねていく。

攻撃は初回、2つの四球と犠打で1死二、三塁をつくるが、4番の中村駿が三振に仕留められるなど、先制ならず。2回表にも四球とヒット、犠打で再び1死二、三塁とするも、空振りで三走が憤死。3回表にも1死三塁をつくるが、三振ダブルプレーに抑えられ、3イニング連続で得点機を逸する。4回、5回にも走者を出すが3回から継投した相手エース小澤の粘りの前に先制点を奪えず、試合を折り返す。

しかし中断明けの6回表、四死球で2死ながら一、三塁とすると、田中伶のサードへ叩きつけた打球が内野安打になり、中京が均衡を破る(中京 1-0 茗溪学園)。

さらに8回表、連打で無死1、2塁とし、田中蓮の投ゴロが小澤の悪送球を誘い1点、増田の2点適時打、北川の叩きによる内野安打、中村駿の2点テキサスヒットと、中京が打者11人の猛攻で一挙6得点を上げる(中京 7-0 茗溪学園)。

7回裏から継投した中京のエース奥村は走者を出しても牽制死を奪うなど、落ち着いた投球で最終回へ。

1死から官野のファースト前方への打球を処理しきれず、中京に今大会初のエラーが記録され、さらにヒットで1死一、二塁とされるが、遊ゴロで2死、そして最後の打者を空振り三振で封じ、奥村が高々と左腕を突き立てた。中京が5年連続15回目の全国選手権優勝を果たした。


最終的に点差はついたが、茗溪学園の良さが存分に見られた試合だった。先発の伊藤、背番号13の森田、そしてエースの小澤と、前半戦はことごとく中京の先制を阻止した。

1回戦はゼロ安打だった打線も大会を通して改善し、この試合でも好投手の西尾から4安打、奥村から1安打、合計5本のヒットを放った。相手の四死球やミスからもたらされる出塁がほとんどなく、得点は遠かったが、各打者が簡単に打ち取られることなく、四球はわずかに2つながら2投手に計153球を投じさせた。

茗溪学園には独特な魅力がある。茗溪の選手はいつも楽しそうに野球をしているのが伝わってくるが、それは上辺だけの「プレーを楽しんでいる」とは別のものだと思う。選手それぞれが自分ができることで貢献し、チームとして結果を残す。その貢献に対する充実感のようなものが喜びとして自然と選手から滲み出ているのではないか。この試合でも茗溪学園が王者との試合を心から「楽しみ」、くらいつく様子が、全国の多くのファンの心を揺さぶったに違いない。

バッテリーをはじめ、多くの下級生が残る。54年間達成されていない「作新学院以外の学校による北関東連覇」をかけた1年がまた始まる。


中京は初回から3回まで連続で1死からの三塁走者の生還に失敗するなど、らしくない攻撃が続いたが、それでも先発・西尾は我慢の投球を見せた。6イニングで108球と球数を費やされたが、4安打1四球でまとめた。

6回に田中伶が叩きで試合を動かし、8回は6安打を固める猛攻。苦しい試合でも我慢しながら先制点を奪い、チャンスと見るや一気に相手を突き放す、今年の中京を象徴するような試合運びだった。

4試合無失点での優勝は第66回大会の作新学院以来、5年ぶり。中京としては第63回大会以来、8年ぶりの記録となった。

5連覇の記録更新がかかった大会。このサイトを含め、マスコミや報道は「連覇を伸ばせるか」といった論調で今年の中京を語ることが多かったが、選手やチームとの意識には大きな隔たりがあることに気付かされた。

一度しかない、最初で最後の3年生としての全国選手権。先制点を叩き出した3年生の田中伶は試合後の優勝インタビューで、過去の連覇に敬意を含ませつつ、語った。

「5連覇よりも、中村駿希の代として優勝できたことが一番うれしいです」。

毎年の優勝にはそれぞれの重みがある。このチームもまた秋の県大会敗戦から始まり、そして夏を勝ち切った。そうした一年一年の積み重ねこそが、連覇という大偉業を唯一無二のものにし、高校軟式の価値を高め続けているのだ。

 

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