天理の初優勝で幕を下ろした第61回全国高等学校軟式野球選手権大会。今大会も1回戦から決勝戦まで、いずれも白熱した戦いが繰り広げられた。
全試合結果
1回戦 明石 |
新田(四国)1-2 早大学院(東京) |
1回戦 明石 |
河南(大阪)0-3 仙台商(南東北) |
1回戦 姫路 |
報徳学園(兵庫)0-1 作新学院(北関東) (延長13回タイブレーク) |
1回戦 姫路 |
柳井商工(西中国)4-3 拓殖大紅陵(南関東) (延長12回) |
1回戦 明石 |
文徳(南部九州)0-1 登別明日(北海道) |
1回戦 明石 |
糸島農(北部九州)3-6 上田西(北信越) |
1回戦 姫路 |
井原(東中国)1-5 桜丘(東海) |
1回戦 姫路 |
天理(近畿)3-2 能代(北東北) (延長14回タイブレーク) |
準々決勝 明石 |
作新学院(北関東)3-2 柳井商工(西中国) |
準々決勝 明石 |
桜丘(東海)4-5 天理(近畿) (延長13回タイブレーク) |
準々決勝 姫路 |
早大学院(東京)2-0 仙台商(南東北) |
準々決勝 姫路 |
登別明日(北海道)1-2 上田西(北信越) (延長12回) |
準決勝 明石 |
早大学院(東京)2-1 作新学院(北関東) |
準決勝 明石 |
上田西(北信越)0-1 天理(近畿) (延長10回) |
決勝 明石 |
早大学院(東京)0-5 天理(近畿) |
大会15試合中、6試合が延長にもつれ込んだ。
前回大会から導入されたタイブレークも今大会は3試合で適用された。1点差ゲームも10試合と、高校軟式野球らしい僅差の試合が多かった。
初出場2校が躍動した。
東海代表の桜丘は1回戦で井原(東中国)と対戦。予選から見せた自慢の攻撃力を全国の舞台でも発揮した。1回戦で建部は4打数4安打の固め打ち、1試合個人連続安打と個人最多安打の大会記録に並んだ。準々決勝の天理戦でも8回まで3点差をリードし、終盤まで天理を苦しめた。
1回戦で拓殖大紅陵と対戦した柳井商工は、最終回の土壇場で追い付き延長に持ち込むと、延長12回サヨナラ勝ちを収め、全国大会初勝利を上げた。準々決勝では2連覇を狙った作新学院を相手に2度のリードを追い付く粘りを見せ、強豪と堂々渡り合った。
好投手を擁するチームが1回戦で多く敗退した。
昨年の準優勝投手で今大会の注目投手の一人として挙げられていた能代の清水は、1回戦で天理との延長14回の激戦の果てに敗れた。
大阪予選5試合に登板し無失点と絶対的エースとして明石にやって来た河南の上野は、初戦の仙台商戦でミス絡みで今大会初失点を与え敗退、全国大会の厳しさを痛感した。
千葉、南関東予選を一人で投げ抜いた拓殖大紅陵のエース桒原、同じく岡山、東中国予選を投げ抜き接戦を制してきた井原の野口など、全国の舞台で投球する姿をもっと見たいと思わせる好投手が初戦で姿を消した。
複数投手の育成は軟式でも課題となる。投手の出来により試合が決するといっても過言ではない軟式野球では、仮に一人の投手の調子が万全でない時に、そこをカバーできるもう一人の存在がいることはとても心強い。早大学院の小泉(1)と藤井(6)をはじめ、桜丘の伴(1)と後藤(3)、作新学院の相田(1)と半田(5)など、エースをサポートする野手投手の好投も見られた大会だった。