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【あべの翔学vs都島工】あべの翔学が初の決勝進出 第64回全国高校軟式野球選手権大阪大会 準決勝

レポート

2019/08/01
住之江公園野球場
第64回全国高校軟式野球選手権大阪大会 準決勝

創部3年で選手権大会初の決勝進出を狙うあべの翔学は、今大会4強のうち唯一ノーシードからの勝ち上がり。初戦で浪速を下すと、シード校の城東工科、関大一を下して準決勝に進んだ。都島工は春の大阪府大会で準優勝し、貴重な近畿の舞台も経験した。PL学園、八尾を下して、2年ぶりに準決勝に進出。エース右腕松井の出来が勝敗の鍵を握る。

都島工の松井は初回、2つの四球を出すが無失点。2回も3人で抑えるが3回表、二死満塁からあべの翔学5番濱田に押出四球を与え、先制を許す(あべの翔学 1-0 都島工)。さらに4回表、先頭の嶋田に死球を与えると、二死3塁から1番山下にライトにタイムリーを放たれ、追加点を与える。(あべの翔学 2-0 都島工)。あべの翔学は5回表にも、二死2塁から嶋田がセンターへのタイムリーを放ち、3-0。効果的に加点し、都島工を突き放しにかかる。

あべの翔学の先発は背番号18の長身右腕原口。初回から落ち着いた投球で都島工を封じる。3回裏に3塁まで走者を許すが、それ以外はまったく危なげない投球。味方の援護でリードをもらうと、変化球を主体に省エネピッチングでアウトカウントを重ねていく。


あべの翔学の原口を前に突破口を見出だせなかった都島工は8回裏、先頭がエラーで出塁すると、一死2塁から松井がレフトオーバーのツーベースを放ち1点を返上(あべの翔学 3-1)。更に四球で同点のランナーを出すが、ここは原口が二者連続三振でピンチを凌ぐ。最終回、都島工は長池がライトオーバーのツーベースを放ち最後の反撃を試みるが、後続がチャンスを広げられずにゲームセット。あべの翔学がシード校の都島工を下して、初の選手権大会決勝に駒を進めた。

※球数は目安

四球6、死球4。都島工エース松井は試合を通して苦しい投球が続いたが、あべの翔学打線を何とか最小失点に抑えた。140球を超える熱投、8回には自らのバットで1点を返上し、都島工エースとしての意地を見せてくれた。9回表のピンチにはショートの原田がスーパープレーで無失点で切り抜けるなど、守備陣も最後まで松井を信じて守り抜いたが、2年前と同じく準決勝での敗退となった。

あべの翔学は5安打ながら、苦しむ都島工松井から効率よく得点を重ねた。バントを確実に決め、相手の守備をかき回す場面も多く見られた。この試合のあべの翔学の3得点はいずれも二死からのものだった。この粘りをあすの決勝戦でも発揮することができれば、勝利も近づいてくるだろう。

決勝の相手は秋の3回戦で13回タイブレークを戦った初芝富田林。秋春と大阪を制している相手だが、十分やりあえるだけの実力が、今のあべの翔学にはある。勢いそのままに、初の全国選手権まで一気に駆け抜けることができるか。

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