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【仙台商vs天理】別所、佐藤らいむ延長15回の激投 天理が驚異的な粘りで2年ぶりの初戦突破 第63回全国高校軟式野球選手権大会 1回戦

レポート
2018/08/25
ウインク球場
第63回全国高校軟式野球選手権大会 1回戦
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昨年の夏も全国を経験した両エースが先発のマウンドに上がる。仙台商の佐藤らいむは2回表、ヒットと四球で一死2、3塁のピンチを迎えるがここを凌ぐと、3回にも先頭に死球を与え、苦しい立ち上がりとなる。

一方の天理別所は初回から持ち前の制球力をいかんなく発揮。3回まで打者一巡をパーフェクトに抑えると、4回にエラーで初めてランナーを出すが落ち着いて処理。5回にヒットを打たれて以降は完璧な投球。9回を打者29人で抑える抜群の安定感を見せた。

仙台商の佐藤らいむは5回に三者三振を奪って勢いに乗るかと思われたが、6、7回にも先頭に四死球を与え、球数も増えてくる。8回にも二死から2つの四死球で二死2、3塁とされるが、ここはライトの上林が身を挺してファールフライをキャッチし、調子が上がらないながらも奮闘するエースを盛りたてる。

9回は天理先頭の真野がレフト前ヒットで出塁、オーバーランを刺そうとしたショートの送球が逸れてベンチに入ってしまい、無死3塁、今度こそ失点を覚悟する場面も、2つの内野フライで得点を許さず。試合は仙台商がなんとか天理の攻撃を凌ぐかたちで0-0のまま延長戦に。

延長戦に入ると佐藤らいむは見事に持ち直し、タイブレークに入るまでの3イニングを打者9人で仕留める。

一方の天理別所は11回裏、先頭の佐藤拓にレフトへのエンタイトルツーベースを放たれ、さらに続く打者の犠打を味方が処理に失敗し無死1、3塁とサヨナラのピンチを迎える。しかしここも内野ゴロ、捕邪飛で二死とし、満塁で武山に11球も粘られながらもニゴロに打ち取って極限の状況から脱する。12回でも決着はつかず、タイブレークに入る。

13回表、天理は無得点。

13回裏、仙台商は一死2、3塁とするが、三走がサインミスで飛び出してしまい憤死。無得点で14回へ。

14回表、天理は無死満塁とするが浅い右飛では三走はホームに還れず。ニゴロは4-2-3のダブルプレーでまた無得点。

14回裏、1点が入れば試合が終わる状況で一死満塁。しかし、ここも別所が脅威の粘りで後続を抑える。

15回に入る前に、主審が両チームのベンチに対して、両先発投手はこのイニングまでしか投げられない旨を伝える。

15回表、四球で無死満塁。ここで打席の別所は四球を選び、押し出しで遂に試合が動く。更に続く末永がレフトに弾き返してランナー二人が生還、3-0。

15回裏の仙台商の攻撃。勝利に望みを繋げるためには最低でも3点が必要。先頭の上林が四球を選び無死満塁。この場面で、ここまで天理のマウンドを守り続けた別所から真野に継投。会場から別所に惜しみない拍手が送られる。

変わった真野。4番佐藤大に内野安打を許して1-3。佐藤らいむのサードへの強い当たりは、この日、再三の攻守を見せた井筒春が捌いてホームでフォースアウト、一死満塁。続く佐藤拓を三振に仕留め二死満塁。そして柴田が放った打球はショートへ。高い難しいバウンドを末永がうまく処理して一塁へ送球。

ーゲームセット。

延長15回の激闘を制したのは天理。2年ぶりの初戦突破、8強入りを果たした。

天理
000 000 000 000 003│3
000 000 000 000 001│1
仙台商

天)別所、真野 – 井筒一
仙)佐藤ら – 柴田

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佐藤らいむが粘った。その投球が本調子ではないことは、誰の目から見て明らかだった。最初はかなりリラックスしてマウンドに上ったが、試合が進むに連れて、その表情も次第に険しいものになっていった。15回で11四死球と苦しみながら、攻撃陣の援護を待ったが、別所がマウンドにいた14と0/3回、結局その場面は訪れなかった。

これぞ天理の粘りだった。延長に入ってからは常にサヨナラと隣り合わせのギリギリの戦いだった。別所-井筒一バッテリーの2年生とは思えない精神力、冷静さを保った守備、別所からマウンドを受け最後に試合を締めた真野も2年生だった。2年前、天理が全国制覇を果たしたときもまた、1回戦はここ姫路で、能代との延長14回タイブレークを制して勢いに乗った。今年のチームもまた、先輩が辿ったサクセス・ストーリーを辿ることができるか。26日の2回戦で早稲田実と対戦する。

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