【神港学園vs比叡山】神港学園の鉄羽が先頭打者HR 雨中決戦制して準決勝へ　平成30年度春季近畿地区高校軟式野球大会 2回戦

春の兵庫大会は決勝で芦屋学園に僅差で敗れ準優勝で近畿大会に出場した神港学園。前日の1回戦は大阪3位のあべの翔学に延長10回タイブレークの末、2-1で勝利し2回戦に進んだ。対する比叡山は春の滋賀大会は5年連続の優勝。秋は近畿初戦となる2回戦でPL学園に1-6で敗退している。

初球だった。

試合開始直後のフワフワした空気を一瞬にして切り裂くかの如く、神港学園先頭打者の鉄羽が放ったセンターへの打球はみるみる伸びてセンターの頭上を超す。比叡山野手の返球がもたつく中、鉄羽は一気にホームにスライディングで生還。僅か十数秒の出来事。神港学園が僅か1球で先制点を上げる。

文字通り、出鼻をくじかれた比叡山先発の竹内陽。続く2番水田にも四球を与えずるずると引き込まれてしまうかと思われたが、ここは後続を断ち最小失点で初回を凌ぐ。神港学園先発は背番号10の長谷。伸びのある速球を持つ右腕は立ち上がり、連打でいきなり無死1、2塁と走者を背負うも得点を許さず。

神港学園は3回表、四球で出た鉄羽がパスボールで進塁。二死後、3番春山のサードゴロで送球が逸れて一塁がセーフになる間に鉄羽が一気にホームイン。鉄羽の好走塁で神港学園が2-0と追加点をあげる。

2点を追う比叡山は3回裏に2本のヒットで一死2、3塁と一打同点のチャンスをつくるも得点に至らず。5回を終え、グラウンド整備が行われると、ポツポツと降っていた雨がいよいよ本降りに。そんな中、神港学園は2番手として、県大会決勝でも途中から登板したエースナンバーの西馬がセカンドからマウンドへ。降り注ぐ雨の中、四球を与えながらも比叡山の反撃のチャンスをつくらせない。

時間が経つごとにグラウンドに浮く水が目立つようになり、8回を終え2-0の状況で13時に試合は一時中断。約1時間の中断を経て13時48分に再開。9回表には追加点のチャンスを逸した神港学園だったが、最後まで比叡山に得点を許さず試合はそのまま2-0で神港学園が勝利。天理が待つ準決勝進出を決めた。

神港学園
101 000 000│2
000 000 000│0
比叡山

神）長谷、西馬 – 下井
比）竹内陽、高矢 – 新居

野球をするにはあまりにも条件が悪いグラウンドコンディション、約1時間の中断を挟むも、最後まで集中力を切らさなかった神港学園が勝利した。この日は背番号10の長谷が先発。エースの後ろ盾がある中、比叡山に5回5安打を浴びながらも無失点の好投。6回からマウンドに上がったエース西馬も降りしきる雨の中、最後まで比叡山に得点を許さない見事な投球だった。試合をつくることができる複数の投手陣が控えていることは夏に向けとても頼もしい。選手権大会は2年連続で決勝敗退。3年ぶりの全国選手権を目指し、まずはあすの天理戦でその実力を試したい。

比叡山は序盤の2失点を最後まで取り返すことができず、昨秋に続き近畿大会初戦で敗退することになった。悪天候の中、崩れることなく粘った先発の竹内陽の姿には秋からの確かな成長を感じることができた。選手権に向け時間はそれほど残されていないが、夏には良いコンディションの下、力強く戦う彼らのプレーを再度観られることを楽しみにしている。