レポート近畿

【観戦レポ】天理(奈良)vs立命館(京都)第62回全国高校軟式野球選手権近畿大会 決勝

レポート
2017/08/02
皇子山球場
第62回全国高校軟式野球選手権近畿大会 決勝

昨年の夏、出場14度目にして初めて全国の頂点に立った天理。初出場から36年目にして悲願の日本一だった。新チームは秋の近畿大会も制し順風満帆かに見えたが、県大会を制して臨んだ春の近畿大会では初戦で報徳学園に敗退した。そしてこの夏、改めてスタートラインに立った天理は、県大会を確実に勝ち上がり、近畿大会に出場。前日の1回戦では昨年の決勝で顔を合わせた比叡山と再び対戦。0-0のまま延長に入ると、途中降雨により約1時間の中断を挟むも、12回に神田のタイムリーで上げた1点を守り切り、決勝に進んだ。

春の近畿大会でベスト4入りを果たした立命館。この夏は府大会準決勝で龍谷大平安を下すと、決勝では春の府大会優勝、近畿大会準優勝の東山と対戦。延長にもつれ込む試合を制し、3年ぶりの近畿大会出場を果たした。前日の1回戦は和歌山代表の南部と対戦。初回に相手投手の暴投で先制すると、最後まで南部に得点を許さず、1安打ながら決勝に進出した。

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両チームとも昨日の1回戦を先発したエースナンバーが、この日もマウンドに上がる。天理の右の速球派・早川と、立命館のサウスポーエース北村はともに危なげない立ち上がり。両投手ともストライクを先行させ、テンポよく相手打者を打ち取っていく。

最初にチャンスを迎えたのは天理。3回裏、四球と一二塁間への内野安打、死球で二死ながら満塁とする。しかし、ここは3番浦谷がキャッチャーファールフライに倒れ、先制のチャンスを生かせない。

立命館は5回に7番岡崎が粘ったあとにレフトへチーム初ヒットを放つもあとが続かず。7回にも二死から内野安打で走者を出すが、チャンスを広げることができない。

天理も7回裏に先頭の湯浅が死球で出塁し、二死3塁まで進めるも、立命館北村が最後で粘りをみせ、あと一本が出ない。

8回表、今度は立命館が無死から死球で出塁、送りバントと内野ゴロで走者を三塁まで進めるが、1番清水が放ったセカンドへの弾む打球を、この日スタメンに入った天理15番松田が好フィールディングを見せ、得点を許さない。

立命館のサウスポーエース北村相手に打ちあぐねる天理打線。9回までに放ったヒットは2本のみ。決定機をつくることができないまま、天理にとっては2試合連続となる延長戦に突入する。

好投する北村を早く援護したい立命館打線は10回表、8回に続き、先頭の丸山を死球で出すと、犠打と内野ゴロで二死3塁とする。しかし、ここでもサードへの難しいゴロを昨年の全国選手権を経験している天理の福岡が華麗に捌いて得点ならず。

その裏には天理が二死1、2塁とサヨナラの場面をつくり、打席には主将の別所達が入るも三振に倒れる。

連投でさすがに疲れが見え始めてきた両エース。11回に試合は動く。

11回表の立命館は一死から1番清水がピッチャーゴロを全速力で駆け抜けて内野安打にすると、岸本のピッチャー前への犠打も内野安打となり、一死1、2塁に。3番豊田の打席、その初球、立命館は相手の意表を突くWスチールを成功させ、この日、両チームを通じて初めて、一死で3塁に走者を置く。しかし、ここは天理の早川が3、4番を内野フライに封じて、ここも得点を許さない。

立命館はこの試合、最大のチャンスをふいにすると、その裏。簡単に二死を取るも、疲れを隠せない立命館エース北村が4番湯浅、5番實延大に続けて死球を与える。二死1、2塁で打席には前日の比叡山戦で決勝タイムリーを放った神田。

その神田が放った打球がライト前に落ちると、二走の湯浅は一気にホームを狙う。ライトからの返球は間に合わず、サヨナラのホームインーー。

天理が昨年に続く劇的な勝利で、2年連続15度目の全国選手権出場を決めた。

立命館が11回表に仕掛けたダブルスチールは、この試合のハイライトだった。熱投するエースを援護したいという後続打者の思いが空回りする結果となってしまったが、天理を相手に、最後まで貫いた積極的な攻撃は見事だった。

この近畿大会は2試合で9安打、2得点0失点、失策は0という成績で全国に挑む天理。攻撃はまだ改善の余地があるかもしれないが、今年も昨年のような一戦一戦をしぶとく戦う天理の野球が全国の舞台でも見られそうだ。

立命 000 000 000 00丨0
天理 000 000 000 01X丨1

(立)北村 – 丸山
(天)早川 – 井筒一

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