【観戦レポ】報徳学園(兵庫1位)- 立命館(京都2位) 平成29年度春季近畿地区高校軟式野球大会 準決勝

レポート
2017/06/10
紀三井寺公園野球場
平成29年度春季近畿地区高校軟式野球大会 準決勝

天理が遂に負けた。

2015年の秋季近畿大会の決勝から19ヶ月間、公式戦無敗だった天理に黒星がついた。約1年半ぶりに天理を下したチームとなったのは兵庫の報徳学園。昨夏の全国選手権出場校同士による対戦となった前日の2回戦では、2点を追う報徳学園が6回に相手のミスに乗じて一挙に5得点を上げて逆転、天理も1点差まで追い上げたが一歩及ばず、報徳学園が5-4で勝利した。

昨夏は兵庫県代表として8年ぶりに全国選手権に出場。初戦敗退も下級生が主体の若いチームは全国を舞台に大きな経験を積んだ。秋は県大会準決勝で敗退。この春はブロック代表決定戦で一度は神港学園に敗れるも、準決勝でその神港学園に勝利、決勝では秋の県大会優勝の飾磨工に延長11回の末2-1で競り勝ち、近畿大会の切符を手にした。

立命館は京都大会決勝で東山に敗れ、2位で近畿大会に出場。1回戦は南部(和歌山2位)に5-0と快勝、前日の2回戦では強豪が集う大阪大会を制したPL学園を3-0で完封した。京都大会では3試合で38得点と打線が爆発。近畿大会でも好調な投手陣が2試合で無失点と安定した試合運びをみせている。この勢いで一気に決勝進出を果たすことができるか。

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報徳学園は1 回裏、立命館先発の背番号10小川から四球で出塁すると、送りバントとパスボールで三塁まで進み、3番柏原のショートゴロの間に先制する。

報徳学園の先発柏原は3回まで毎回四死球を与える冴えない立ち上がりだったが、走者を背負ってからもテンポよく投げ込んでいく。

5回表、立命館先頭の大崎にライトオーバーのツーベースを許すが、後続を抑え得点を許さない。ピンチを切り抜けた報徳学園はその裏、川端、井上の連打と四球で二死満塁の場面をつくると、3番柏原がサードを襲う強襲ヒットを放ち、自らのバットで2点目を追加する。

更に6回裏、立命館の2番手野添の立ち上がりを攻め一死1、3塁とし、途中出場の詠田がファーストにしっかりと転がして三走が生還、3-0と着実にリードを広げる。

6、7回と2塁まで走者を進めるもその先が続かない立命館。3点を追って最終回の攻撃へ。先頭の豊田がセンターへ弾き出塁、一死後に丸山もセンターへ運び、一死1、2塁と粘りを見せる。ここで報徳学園のマウンドを一人で守ってきた柏原の足がつり、試合は一時中断。投球を再開した柏原は足の痛みに顔を歪めながらも、最後まで走者を本塁に許すことなく、そのまま3-0で報徳学園が勝利。決勝進出を決めた。

報徳学園エースの柏原は立ち上がりこそ制球が定まらなかったが、立命館を散発4安打9奪三振と力の差を見せつけた。自らのバットで追加点を上げるなど、攻撃でもチームの勝利に貢献した。

立命館は先発の小川、二番手の野添のリレーで最後まで報徳学園に食らいつくも及ばなかった。打線も柏原から2本の長打を放つなど、見せ場をつくった。近畿大会ベスト4は大健闘といってよい結果なのかもしれないが、彼らにはとってはそれ以上に、夏を前に強豪との真剣勝負を3試合も行えたことが、非常に大きな経験となったに違いない。

立命館
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100 011 00X│3
報徳学園

(立)小川、野添 – 丸山
(報)柏原 – 朝野

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